環境に配慮した、新しいマラソンの姿。
「株式会社ゴールドウイン」および同社が展開する〈ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)〉が特別協賛するこの大会は、マイボトルランに代表される「環境に配慮した大会運営」が特徴です。まずは環境負荷を抑えるための具体的な取り組みを紹介しましょう。
最大のポイントは、「ゴールドウイン」の協力のもと、大会の開催に伴うCO2排出量を削減しつつ、可視化したこと。ゴミの原因となる給水ポイントの紙コップやペットボトルを全廃し、「ゴールドウイン」が提供したマイボトルとウォータージャグを使用。そのうえで、そういった削減努力ではカバーできない参加者の移動に際したCO2排出量の一部、10トンをオフセットする取り組みが実施されました。

オフセットに利用するのは、尾道市のブルーカーボン・オフセット推進事業「尾道の海のゆりかご(干潟・藻場)再生による里海づくり」によってクレジット化された「Jブルークレジット®」。ブルークレジットとは、海底や深海に蓄積される炭素「ブルーカーボン」を数値化し、環境保全の取り組みを支援する形で企業がクレジットを購入することで、その利益が海の環境を守る活動に出資される仕組みを指します。
この事業ではクレジット販売による利益が藻場の再生事業に活用されるため、「せとだレモンマラソン」がオフセットすることでカーボンニュートラルに近づけるだけでなく、海の生態系の回復にも繋がるそう。なお、「Jブルークレジット®」を活用したマラソン大会の地産地消型カーボン・オフセットは、国内初の試みです。
また、参加者には、可能な限りCO2を排出しないよう、バスや電車などの公共交通機関の利用や自動車の相乗りが呼びかけられました。

大会に参加した3名も、新幹線やフェリーを乗り継ぎ、東京から瀬戸田まで移動。フイナムの撮影チームも同様です。現地の取材ではレンタサイクルを利用しました。