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断絶と融合。森山未來が突き進む“未来”。
This is ADAM ET ROPÉ JEANS.

断絶と融合。森山未來が突き進む“未来”。

この春登場する〈アダム エ ロペ(ADAM ET ROPÉ)〉の新ラインは、時代のミューズに愛されてきたジーンズにモードのエッセンスを加えた服。服をまとうことによって自らの身体がどのように動かされるのか…今回は、そんな実験的アプローチのもと、森山未來が「アダム エ ロぺ ジーンズ(ADAM ET ROPÉ JEANS)」とともに舞い、踊る。

  • Photo_Tatsuki Nakata
  • Styling_Hiroki Matsui
  • Hair & Make-up_Motoko Suga(Hoshino Office)
  • Text_Akiko Maeda
  • Edit_Naoya Tsuneshige

服を着ることは自分の身体に介入し、
自己の存在や考えが露わになること。

―今回は「アダム エ ロぺ ジーンズ」のデニムアイテムをいろいろ着ていただきましたが、着心地はいかがでしたか?

森山: 表情や着心地はさまざまでしたけど、普段デニムをあんまりはかないぼくでも着やすいアイテムばかりでした。いわば、体のしつらえみたいなものを試した感覚にもなりましたね。ホワイトカラーやブルーカラーの話でいうと、シャツの首元をボタンで留めたり、手首をボタンで締めたりという行為自体が着るひとのメンタリティを変化させてきたのか、逆にそういうメンタリティに伴った装いになっていったのか…。ニワトリが先か、卵が先かの話だと思うんですけど、すごく興味深いですよね。それこそデニムはブルーカラーのアイコンですしね。

―服は大前提として体を保護する役割があって、そこから着るひとの社会性や個性を表象するアイテムとして変化していった背景がありますが、森山さんが身体表現をする上での服の立ち位置についてはどのように考えていますか?

森山: いまおっしゃったように体を保護する役割もあるけれども、タトゥーや装飾品も含めて、服装は身体を拡張する役割を担っているという考えもあって。つまり、その服の素材や色彩やデザイン…それらによってどのように身体が動かされるのかと捉えることもできる。ファッションの時事性を考えたときに、「アダム エ ロぺ ジーンズ」がコンセプトとして掲げるサステナビリティに対して思いを馳せることも意義深いですよね。

現在におけるブルーカラーってなんだろう、デニムを通してどのようにサステナビリティや資本主義を本当に考えることができるのだろう。服の着心地やテキスタイルの素材といった物理的な感覚だけでなく、それを着ることで想起させられる精神性のようなものをも含めて僕の身体をリードしたというか。身体が動かされるなかで、デニムをシンボリックに捉えられた気がしました。

―背景によって移り変わる森山さんの肉体表現がとても印象的でしたが、環境に合わせて体を乗せているイメージでしょうか?

森山: それはいろいろですね。自分の身体が服というものを見せるための素材という考え方もあるので、自分のなかでガチガチにはしてはなかったと思います。単に動きたいなと思ったら動くし、場のしつらえによって何かを想起させられることもあったり。心と身体から湧き起こる生の声を聞いている感覚で動いていた、と言えば良いでしょうか。

―撮影を見ていて、結構激しく踊っても服のラインがキレイに出ていて、身体の一部として動いているように感じました。どれもお似合いでしたが、とくにお気に入りのアイテムはありましたか?

森山: 「アダム エ ロぺ ジーンズ」のアイテムは、デニムだけどあまりごわつきがなくて動きやすかったですね。どれも好きでしたけど、スラックス見えのシルエットのパンツはとくにしっくりきました。

―やわらかくて肌当たりがいいのが特徴のひとつです。そして、「アダム エ ロぺ ジーンズ」では、原材料の一部に工場での製造工程で発生した端切れや糸くずをプレコンシューマーとして使用した素材を採用。また、製造工程で水と電力を極力使用しない環境負荷削減に努めています。

森山: アパレル企業にとっても、循環型かつ持続可能な未来を目指すのが現在の課題でしょうし理想ですよね。最近は海外メゾンでも岡山デニムが注目を集めていると聞きました。

―加工技術は世界トップクラスと言われていますよね。デニム好きのなかにはリジッドデニムを育てるひともいるくらいですが、森山さんは普段身につける服になにかこだわりはありますか?

森山: 職業柄もあるのでしょうが、性格的に自分で服を選ぶということがあまりなくて。スタイリストさんが衣裳で持ってきてくれたものを購入したり、もらったりすることも多いです。あんまり服で個性を表現したい気持ちを自分自身では持たないようにしているというか、自分の服装のこだわりみたいなものを強く持つことによって、自分自身が固まってしまうのが嫌だなっていう意識はあります。まぁ、つまりこだわってますね(笑)。

―すごく興味深いです。踊るときもこの服じゃないと、とか裸足じゃなきゃ嫌だとか、そういった感覚はありませんか?

森山: 基本的にそういうものもとくに持っていないです。裸足でいることは個人的に楽ではあるけれど、与えられた衣裳や環境で何ができるかっていうのを自分なりに楽しめるかどうかも大事で。枠組みを決めることで制限が生まれてしまうことに対して違和感を持ってしまうんでしょうかね。

―できる表現をどんどんしていけるというのは、すごくポジティブな思考ですね。表現者である森山さんから見て、ものの美しさだったり、エレガントさの表現だったりはどんなところに宿ると思われますか?

森山: 品性みたいなものは確かに大事だと思う反面、一見ボロボロのヨレヨレの服を着ているけれど、いくところまでいききったひとが持つスタンスやこだわりがにじみ出たような、トータルで見たら成立している美もあります。表層的な綺麗さではなく、自分の美意識に対する誠実さや想いの強さが反映されていることが重要であり、それはそれでかっこいいと僕は思います。

アイテムひとつに意味があるというよりも、どうしてそのひとがそのアイテムを選んだのかに意味があると思うんです。時代性やスタイルに左右されるものも確かにあるなかで、美意識というのはその潮流にはあまり関与しないんじゃないか、とも思っています。誰かが強く思った美しさというものをビジネスの潮流に乗せることによってそれが世界中に広まっていく。それを私たちがどのような感度で手にするのかが重要です。

INFORMATION

ジュンカスタマーセンター

電話:0120-298-133
オフィシャルサイト

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