撮影の裏側について。
ー伊賀さんには今回、総監督兼スタイリストとして関わっていただきました。まずは、こういったムービーをつくることになった裏話をお話いただけますか?
伊賀: 男女が二人並んでポーズをとる──せっかくやるんだったら、そんな普通のことをやっても面白くねーなと。それでスタッフみんなで相談して、「役者が出るショートフィルムを撮ろう」ということになったんです。
映画の場合は脚本があって、監督も俳優も美術も全員がそれを基準につくりあげていく。今回は短い時間の中でエチュード(即興劇)的なものを撮りたかったので、みんながやりやすいように遊びとして軽く設定を決めた感じですね。“気まずい2人”みたいなものがなんとなくのテーマで。店主の戌井さんが来るまで、オープン準備をする中島くんと、急遽お店の鍵開けを頼まれた福地さんのショートストーリーになってます。

左:〈マーガレット・ハウエル〉ブルゾン
¥64,900、ポロシャツ
¥22,000、サンダル
¥62,700、〈エムエイチエル.〉パンツ
¥30,910(すべてマーガレット・ハウエル)
右: 〈マーガレット・ハウエル〉シャツ ¥
33,000、パンツ
¥35,200、サンダル
¥126,500(すべてマーガレット・ハウエル)
ー撮影を終えて、中島さんと福地さんはいかがですか?
福地: 今回は脚本がない分、服を手がかりにどんな人物なのかを自由に膨らませることができて楽しかったです。
中島: ぼくはセリフもないままパッとカメラの前に立って、服をちゃんと見せて、かつ顔も決まってるっていうのが苦手で。今日は福地さんと初対面でしたし、服を特別きれいに見せるための演出もなかったですから、そのままの自分、そのままの関係性でカメラの前にいられたのがよかったです(笑)。

左: 〈マーガレット・ハウエル〉ニット
¥44,000、スカーフ
¥35,200、サンダル
¥126,500(すべてマーガレット・ハウエル)
右:〈マーガレット・ハウエル〉シャツ
¥38,500、パンツ
¥44,000(すべてマーガレット・ハウエル)
ーそれは普段の撮影現場に近い感覚だったということですか?
中島: いや、それともまた違って、本当に「そのまま」でした。
伊賀: 今日はその中間のとこっていうか。中島歩として着るのか、タカハシマモルっていう設定があって着るのか、どの人格で服を着るのかによって違うもんね。
中島: 芝居で役はありますけど、結局のところ、役を通していかに「自分のまま」を表現できるかが大事だと思っていて。どんな役や設定であろうと、その場にいて自分が感じていることとか、相手のひととの関係性とか、それを忘れてしまうと「別のひとを演じている俳優」が映るだけになっちゃう。全部をひっくるめてその場にいるっていうことが、今日の撮影でもできたかなと思います。