今年、創業25周年を迎えたことで様々なアニバーサリープロダクトを発表している「ユナイテッド アローズ LTD.（UNITED ARROWS LTD.）」。11月を迎え、いよいよ大詰めな感じがしてまいりましたが、ここへきて誰もが知る大物、「G-SHOCK」が登場します。

今回フイナムではプロダクトの企画を担当した、〈ビューティ＆ユース（BEAUTY＆YOUTH）〉バイヤーの青谷氏と、〈カシオ（CASIO）〉のご担当者さまに、開発までのストーリーを聞くことができました。

ーまず、一番最初に取り組みが始まったのはいつだったんですか？

青谷：1996年ですね。

カシオ：そのときは〈ビューティ＆ユース〉はまだできていなかったので、〈ユナイテッドアローズ〉としてやらせてもらった感じでしたね。

青谷：〈ビューティ＆ユース〉として初めて別注モデルを作らせてもらったのは、ブランド5周年のときだったので、2011年になると思います。

ーこのときのモデルはどんなコンセプトで作られたんですか？

青谷：それを話すには、先ほど話した〈ユナイテッドアローズ〉で制作したモデルについて触れる必要がありまして。

カシオ：第一弾が黒で、第二弾がスケルトンでしたね。

青谷：そうですね。これは第一弾ですが、針がオレンジというUAカラーで作らせてもらったんです。

ー久しぶりに見ましたが、これはやはりいいですね。

青谷：そうなんです、名品なんですよね。で、このモデルを所有している〈ビューティ＆ユース〉のスタッフが結構たくさんいまして、これは〈ビューティ＆ユース〉モデルも作らないとな、と思ったんです。

ーお客さんもですが、スタッフから要望もあったわけですね。

青谷：はい。そこで、第一弾は〈ビューティ＆ユース〉のカラーである「ブラック」を使って、オールブラックのモデルを作ってみたんです。

ー元となるタイプは、ずっとこのアナデジのタイプですね。

カシオ：微妙に機能やデザインはアップデートされていますが、基本はこのシリーズですね。

青谷：そうですね。そこは最初からずっと変わらないです。

ーそこで、今回は白で作ったわけですが。

青谷：今回は、「ユナイテッドアローズ」25周年という節目の年に作らせてもらったわけですが、最初が黒なら、今回は白しかないだろうという感じでした。あとは最近の「白」という色への注目度とか、冬に「白」を付けるという行為もいいのではという部分もあります。

カシオ：とはいえ、最初はネイビーとかグレーとかの候補もありましたよね。

青谷：そうですね。最初は白に対して少しビビってたんで。

ービビりとは？

青谷：さっき言った、冬に「白」を付けるという行為の楽しさが、お客さんにどこまで伝わるかなという不安といいますか。でも、やっぱりネイビーとかグレーだとインパクトに欠けたんですよね。別注感もいまひとつ出ないかもな、という。

カシオ：我々としては、通常「G-SHOCK」は、黒と白が一番売れるので、そういう需要は間違いなくありますということをお伝えさせていただきました。しかも、今年は特に「白」が売れていますね。

青谷：僕らとしても、今年いくつも「白」のプロダクトを作ってきまして、それの締め的な意味合いもありますね。

ーよーく見ると、細かくデザインが違いますね。

カシオ：はい。ちなみに、今回の白モデルのベースとなっているのがこちらです。インデックスの部分なんかは結構違うんですが。

ーちなみに文字盤のデザインとかってどこまでアレンジできるものなんですか？ なんでもかんでもいじれるわけではないですよね？

カシオ：そうですね。とくに最近使っているモデルはソーラー時計なので、制約はありますね。文字盤がソーラーになっているので、受光面積をある程度キープしないといけないんです。というのも、文字やロゴが入っているところは光を全部遮断するようにしているので、〈ビューティ＆ユース〉さんのロゴなどは結構大きいということもあって、弊社のエンジニアが計算して慎重に進めなければならない箇所ではあります。

青谷：ちなみにこれを付けて海外に行って、ホームタイムの設定をすると針が現地時間に合うようにバーッと動くので、それがすごく気持ちいいですね。出張に来た感じがします。

ー最近では何もかもが白い、というようなモデルもありますが。

カシオ：ありますね。ただ、このモデルに関しては、ソーラーパネルが黒いため文字盤を白にするのが、現状だとなかなか難しく、今後の課題ではあるんです。

青谷：そうなんです。そういうのもあって、モノトーンとしての白と黒を活かそうと思って、随所に黒を挿している感じですね。

カシオ：裏蓋も通常はシルバーですが、このモデルに関しては黒にしていますね。

ー今後やりたいモデルというか、デザインなんかはありますか？

青谷：実際に次に進めているのは、今のノリ、つまりスポーティさとモード感を混ぜたような、「G-SHOCK」っぽさをいい意味で抜いたようなモデルになりそうです。

青谷：そういえば、このモデルは女性からの問い合わせも多いですね。なので、前回の黒の時はメンズのお店でしか置かなかったんですが、この「白」はウィメンズのお店にもトライアル的に展開しようと思っています。

ー発売が楽しみですね。今日はどうもありがとうございました！

というわけで、発売は明日、11月11日（火）になります。もう少々お待ちを！