NEWSファッション、カルチャー、ライフスタイルの最新情報を、ほぼ毎日更新。

オールカラー作品。写真家・森山大道の写真展が開催。

オールカラー作品。写真家・森山大道の写真展が開催。

断片的なフレーミング、クローズアップ、粒子の粗さやコントラストの強さ、ギラッとした質感、焼込みによる黒く幽玄なタッチ。日本のみならず世界各国から高い評価を得ている写真家・森山大道のエキシビションが、12月15日よりアートスペースAMにて開催されます。


60年代後半から80年代前半にかけて撮影された、150点ものカラー作品が展示される今回。当時、森山氏の撮影の大半はモノクロームフィルムに占められていましたが、グラフ雑誌の依頼に応じるなど、路上でのスナップショットをコンパクトカメラにカラーのリバーサルフィルムで撮影する機会が、しばしばありました。また、1年間ほど連載していた『週刊プレイボ ーイ』の依頼によるヌード写真、海外出張の渡航費用を捻出するために引き受けた団鬼六氏(作家・故人)とともに制作した『蜉蝣』のための緊縛写真を撮りおろしたのも、この時期です。


「モノクロームは、プリントで操作をしたり粒子を荒らしたりできるが、カラーではできないし、考えていないんです。カラーでは、ニッポンの東京の俗っぽい場所や生々しい色を撮っている。単純にいうと、モノクロームには、印象性、象徴性、抽象性があるけれど、カラーには、ポップでクリアーでジャンク、いい意味でペラペラな感じがあるね。より心情的なモノクローム、より通俗的なカラー。自分の中にも両方があるわけだから、どちらも自分。分けることはできないんだよ」(森山氏)


その瞬間の匂いや空気や騒音が、40年のフィルム上の経年変化をものともせず、鮮度高く、ヴィヴィッドなイメージの中に封じ込められています。


daidoincolor_press_002.jpg


daidoincolor_press_003.jpg


daidoincolor_press_004.jpg


daidoincolor_press_005.jpg


daidoincolor_press_006.jpg


daidoincolor_press_007.jpg


「現在は、ストリートスナップはほとんどデジタルカメラを使っているのですが、当時も今も、相変わらず同じものに興味がわき、視線が向かうんです。視界がとらえようとする欲望の対象が、まったく変わらない。車や建物、時代や風景がどんなに変わったとしても、街には必ず人がいる。人と街との混沌とした関係は変わっていないんですよ。実にリアルで面白い。カメラを持って街に出れば、そのときの僕の体内のセンサーのありようで、いろいろなものを撮るわけだけれど、どの時代にも、街には、コメディやエレジーやドラマ...すべてが包括されている。街は、ステージでありミュージアムでありスタジアムであり、興味がつきないね」(森山氏)


当時のカラー作品が、このボリュームで一同に介するのは、初めての機会となります。ぜひ会場に足を運んでみてください。


Text_HOUYHNHNM

森山大道写真展「DAIDO IN COLOR」

会期:2015年12月15日(土)〜2016年1月30日(土) ※月曜・火曜休み
時間:13:00〜19:00
会場:アートスペースAM
住所:東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ301
電話:03-5778-3913
www.am-project.jp

森山大道作品集『DAIDO IN COLOR』
480ページ(H312 x W210mm)


©Daido Moriyama

NEW ENTRY最新記事

  • オールカラー作品。写真家・森山大道の写真展が開催。

BLOGブログ

ブログを始める

RECRUIT求人情報