夏はTシャツ。子供も大人も、日本人もアメリカ人も、どんなひとでも夏に着るのがTシャツです。でもあたりまえに着るからこそ、生地やシルエットは心地いいものがいい。そこで〈ブランクト(Blankt)〉。今年春にデビューしたTシャツのボディブランドです。新鋭ながら、すでに大手セレクトショップでの取り扱いが決まるなど、いま大注目株。あれこれ語ることはありますが、まずは識者8人に実際に着てもらうことにしました。第一回目は、それぞれ世界を目指すお二人です。
Photo_Shingo Goya
Text&Edit_Yuri Sudo
No.1 石井康雄
(コーヒーロースターオーナー、焙煎士、バリスタ)
1982年生まれ、東京都出身。高校生でプロボクサーとしてデビューし、活躍。怪我をきっかけに引退した後は、飲食店を数店舗経営し、2019年1月に「LEAVES COFFEE ROASTERS」を東京・蔵前にオープンさせる。現在は、ショップ運営の傍ら、ブリュワーズ(抽出)の世界チャンピオンになるべく大会に鋭意出場中。
Instagram:@yasuoishii
汚れないよう気を付けるために、あえて白を。
ー普段の服のこだわりを教えてください。
〈オールドジョー〉〈フィグベル〉〈オールズ〉の3ブランドを着回しています。若い頃にいろいろ試した上で、自分なりに好きな着心地とか形とかが見つかってきて、その3ブランドに辿り着きました。もので言うと、特に好きなのはセットアップ。大事な日は必ず着ます。
ーどんなTシャツが好きですか?
色は白か黒で、ダントツで白が多いです。プリントが入っていないシンプルなものが好きで、素材やディテールで選んでいます。
ー〈ブランクト〉のTシャツを着用した感想はいかがでしょう?
普段さらっと1枚で着ることが多いので、着心地も肌触りもいいのはうれしいですね。
白にしたのはいつも仕事着で白Tを着ているから。白Tに白のパンツ、〈オールズ〉に別注した白のドクターコートを着ています。全身白にしている理由は、コーヒーで汚れないよう丁寧に作業するようになるから。ならではのこだわりです。
ー最近のお仕事について教えてください。
お店を運営しながら、実は世界チャンピオンになるべくブリュワーズ(抽出)の大会に出場しています。ここ1年半かけて準備をしてきて、ちょうど一昨日、国内予選に行ってきました。勝ち上がれば9月末に決勝があり、日本代表になると来年は世界大会があるので、いまは結果が楽しみです*。
タイトルを獲得すれば、より多くのひとが「LEAVES COFFEE ROASTERS」のコーヒーを飲みに来ると思うんです。自分の人生がコーヒーで変わったように、来たお客さんの人生もコーヒーで救ってあげたい。それが、コーヒーへの恩返しにもなると思い、タイトルを取りたいと思っています。
※取材の数日後、予選通過の連絡があり、見事石井さんは決勝に勝ち進んだ。
ー最後に、この夏したいことは何でしょう?
9月末の決勝で使うコーヒー豆をある国で調達する予定で、それが夏の楽しみです。新しいニューウェーブをつくれる予感がします。暑そうなので、この〈ブランクト〉のTシャツを着て行きたいと思います。
▶︎石井さんが着用したTシャツはこちら
No.2 黄理子
(ジュエリーデザイナー、モデル)
1996年、神奈川県横浜生まれ。日本と台湾にルーツを持つ。武蔵野美術大学に入学してから、モデル業をしつつジュエリーの制作を行う。在学中の2018年に、自身のジュエリーブランド〈TALANTO〉をスタートし、卒業後のいまも変わらずデザイナーとして活動中。2024年9月にロンドンに移住。
Instagram:@riko_ko__
初めての黒Tは、ロンドンでもガシガシ使えそう。
ー普段の服のこだわりを教えてください。
シンプルな格好に、自分でつくったジュエリーをたくさん付けるのが好きです。
ーどんなTシャツが好きですか?
キッズサイズのTシャツはよく着ます。どの国でもリサイクルショップのキッズコーナーは値段も手頃で、サイジングもわたしの体型にあってるんです。あとは、父が持っている古着のバンドTシャツとカレッジTシャツを借りて着ることも。
ー〈ブランクト〉のTシャツを着用した感想はいかがでしょう?
父のビッグサイズのTシャツが好きなこともあって、わたし的には大きめのMを選びました。黒は1枚も持っていないけど、使い込みやすそう。実はロンドンは洗濯機で洗うと服が色移りしたりボロボロになりやすいので、黒だと長く使えそうだなと。
新品のTシャツは、正直肉厚で使いにくい印象があって苦手だったけど、〈ブランクト〉は生地が適度に薄くて柔らかくて、古着のように着心地がいいです。
ー最近のお仕事について教えてください。
イギリスの金属工芸の技術や歴史に惹かれて、昨年秋にロンドンに移住しました。いまはあっちでジュエリーデザイナーとして活動しつつ、モデルもしています。
ブランドはコレクション単位で制作するわけではなく、日記を綴るように、自分のその時々の感情のままに制作するスタイル。来週ロンドンで初めてマーケットに出す予定で、そんな自分のジュエリーが海外のひとにどう映るのかが気になります。
ー最後に、この夏したいことは何でしょう?
公園で日焼けしたい! ロンドンでは、夏になるとギャルたちがビキニを着てマットを引いて寝そべってるんです。日本と違って肌を焼くカルチャーが根付いていて、日焼けしたね、と言われるのはポジティブな意味。金銭的にも気持ち的にも、バケーションに行く余裕があることの現れみたいで。なのでこの夏は彼女たちの日焼けを真似したいです。
▶︎黄さんが着用したTシャツはこちら
ボディブランド〈Blankt〉とは?
2025年春にデビューしたTシャツのボディブランド。カラーはホワイト、アッシュ、ブラックの3色、サイズはS、M、L、XL、XXLの5サイズ展開。厚すぎず薄すぎない6.3オンス。いずれも生地は極め細かくさらっと滑らかなコンパクトコーマ糸を採用し、オーガニックブレンドコットンで制作している。詳しくはこちらの記事よりチェック。