2025年9月27日、中国・上海で〈サロモン(Salomon)〉によるランニングイベント「Gravel Shanghai(グラベル上海)」が開催されました。
テーマは、〈サロモン〉が提案する新たなランニングスタイル「グラベルランニング」。舗装路や未舗装路といった路面条件にとらわれず、“自分の足で街を再発見する”というコンセプトを軸にした都市型ランニングイベントです。
ルールはシンプル。走り方は自由。
このイベントの大きな特徴は、決められたコースを走るわけではないこと。スタート前に配られる地図には、カフェやショップなど16か所のチェックポイントが記されています。制限時間は2時間。最低6か所を巡ることが完走の条件で、各ポイントにはスコアが設定されています。どの順番でどのルートを回るかは完全に自由。速さよりも、戦略とちょっとした遊び心が勝負のカギになります。
スタートとゴールは、上海を代表する人気エリア・新天地。歴史的な石造りの建物とモダンな商業施設が共存する洗練された街並みで、〈サロモン〉のポップアップストアもオープンし、多くのランナーと来場者でにぎわっていました。
参加者は約500人。日本からは我らが「フイナム ランニング クラブ♡」や、「トライングランニングクラブ」を主宰する大谷遼太郎さんらが招かれたほか、イタリアから「Mental Athletic」チームも参加し、国際色豊かな顔ぶれとなりました。
街を駆ける“探索ラン”の楽しさ。
上海の街並みは整備が進んでいて、未舗装路はそれほど多くありません。それでも〈サロモン〉がこの地でグラベルランニングを仕掛けた狙いは、「路面」ではなく「走るマインド」の転換にあります。
実際に走ってみると、高層ビルが立ち並び、人や車が行き交うダイナミックな都市空間のなか、自分でルートを描いて街を駆ける感覚はまさに“探索”そのもの。寄り道や思いがけない発見が、ランにちょっとした冒険心を加えてくれます。
変わりゆく、上海のランニングシーン。
〈サロモン〉の現地スタッフによると、ここ数年で上海のランニング人口は急増。スピードや記録を狙うよりも、仕事帰りのリフレッシュや仲間との交流を目的に走るカジュアルランナーが主流になりつつあるといいます。黄浦江沿いの西岸エリアや蘇州河沿いには遊歩道が整備され、ランナーのフィールドは広がりを見せています。
トレイルランはまだ小規模ながら、郊外の杭州方面に足を伸ばす人も増えているとのこと。都市型ランナーが新しい楽しみ方を探している今、「Gravel Shanghai」はまさに時代の空気をとらえたイベントといえます。
グラベルのコンセプトを足元から体感。
多くのランナーが着用していたのは、〈サロモン〉の「エアロ グライド 3 グラベル」。
「エアロ グライド 3 グラベル」は厚底ロードモデルをベースに、トレイルシューズのようなラグ(突起)とV字型パターンを採用したアウトソールを搭載。舗装路から石畳、オフロードまで幅広い路面でしっかりグリップし、安定した走りをサポートします。都市の中で変化に富んだ路面を楽しむには、ぴったりの一足です。
“走る×探索”という新しいスタイル。
「Gravel Shanghai」は、速さや距離ではなく、街を自分の足で“編集”する楽しさを提案するイベントでした。ゴールに戻ってきたランナーたちの表情には、レースとはまた違う、探索を終えたような高揚感があふれていました。
日本でもこの秋、「グラベルランニング」をテーマにしたイベントが全国6都市・13店舗で開催。上海でのイベントとは規模や趣旨は異なりますが、〈サロモン〉が提唱する“新しい走り方”の楽しさを体感できるはず。気になる人は公式サイトで詳細をチェックのうえ、参加を検討してみては。
Photo_Taru
Text_Issey Enomoto