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ダイワとジャーナル スタンダード レリュームによるゴアテックス® ファブリクスを採用したアウターは、冬の新たな定番になりうるのか?

「ジャーナル スタンダード レリューム(JOURNAL STANDARD relume)」と〈ダイワ(DAIWA)〉による取り組みが好評のようです。アメカジをベースにしたファッション的な視線と、釣りに特化して開発を続けてきた機能。両者の特性をミックスして生まれたプロダクトが、モノ好きたちのツボをついている様子。さらに今季は「ゴアテックス® ファブリクス」を採用したアウターも登場し、ますます勢いづきます。そうしたアイテムの魅力はどんなところにあるのか? 今回は3名のキーパーソンに登場いただき、新しく誕生したウェアの人気の秘訣を探ります。

Photo_Sara Hashimoto
Text_Tsuji
Edit_Yosuke Ishii


PROFILE

畑山健太

「ジャーナル スタンダード レリューム」のショップスタッフを経てバイヤーに就任し、独自の視点で買い付けを行う。〈ダイワ〉との取り組みも担当。

PROFILE

中津正臣

長年ファッション業界に在籍し、現在は〈ダイワ〉にてアパレルマーケティングに従事。趣味である釣りを扱いながら、遊びの視点を仕事に活かしている。

PROFILE

平井康博

「ゴアテックス® ブランド」のマーケティングを担当。真面目かつ真摯なキャラクターで、信頼を得ている。


中綿入りで防寒性が高く、表地には「ゴアテックス® ファブリクス」を採用。

左から「ジャーナル スタンダード レリューム」の畑山さん、〈ダイワ〉の中津さん、「ゴアテックス® ブランド」の平井さん。

ー〈ダイワ〉と「ジャーナル スタンダード レリューム」の取り組みはいつ頃からスタートしたんですか?

中津:はじまったのは4年前ですね。〈ダイワ〉はもともと、釣り以外の業界とこうした取り組みをしてこなかったんですが、縁があって「ジャーナル スタンダード レリューム」と出会い、お互いにとって良いコラボレーションになりそうだという感触があったのでスタートしました。

畑山:そこから毎シーズン、なにかしらのアイテムをリリースしていますね。でも、こうして真冬にも対応するアウターをつくるのは今回がはじめてなんです。

JOURNAL STANDARD relume × DAIWA Versatile Winter Jacket 各¥39,600

ー取り組みがスタートして、お客さんの反応も上々だと伺ってます。

畑山:〈ダイワ〉を知っているお客さまはもちろん、「ジャーナル スタンダード レリューム」はショッピングセンターにも多く出店していて、これまでブランドと接点のなかった方々にも好評いただいています。だからこそ、毎シーズン続けられるというのもあるんです。

中津:お陰さまでだいぶ定着してきましたね。それもあって、今回しっかりとしたアウターをつくろうということになったんです。

ーこちらはどういったアイテムなんですか?

中津:ベースになっているのは〈ダイワ〉のインラインで展開しているアウターですね。我々のブランドの中ではエントリーモデルになるのですが、きちんと実釣シーンに対応するもので、いちばん人気のあるアイテムでもあるんです。中綿入りで防寒性が高く、表地には「ゴアテックス® ファブリクス」を採用しています。

中津:釣りって本当に過酷なアクティビティで、防寒は命綱なんですよ。さらに船で移動するときに、風速が1メートルあがる度に体感温度が1度下がる。釣り船が20ノットくらいで走行すると、体感温度が10度変わると言われていて、海の上できちんと暖かさを確保することが重要になるんです。

ーだからこそ防寒・保温はもちろん、“防水・防風”という概念も大切になってくる。

中津:そうなんです。ウレタンなどのコーティング素材にも高い防水、防風性がありますが通気性を確保できず衣服内の環境が悪くなってしまうんです。「ゴアテックス® ファブリクス」は防水性もさることながら、透湿性に関しても優れた機能を持っていますよね。それによって保温をきちんとしながら、衣服内の環境を整えられるというところに大きなメリットがあるんです。

平井:これは「ゴアテックス® ファブリクス」の透湿性を可視化するキットなんですが、一方のグラスには普通のビニール、もう一方には私たちの生地を袋状にして入れています。そこにお湯を注ぐと、「ゴアテックス® ファブリクス」のほうだけグラスが曇っているのがわかりますか?

平井:これはお湯の湯気だけが透過していて、防水と透湿性が両立している状態なんです。こうして熱気を外に逃さないと、どんどん内部が結露していって不快感が増す。人間がかいた汗も内側に留まってしまうので、寒い環境の中では低体温症などのリスクがどんどん上がってしまうんです。

ー「ゴアテックス® ファブリクス」による防水・透湿性を確保しながら、他にも〈ダイワ〉ならではの機能やディテールが備わっているんですか?

中津:あとは釣りの動きを妨げないパターンを採用しています。立体的になっていて、すごく動きやすいんです。他にも止水ファスナーを採用したり、フードにも雨返しというディテールを設けて、フードを被った際に水がサイドに逃げる構造になっています。

JOURNAL STANDARD relume × DAIWA Versatile Winter Jacket 各¥39,600

ー「ジャーナル スタンダード レリューム」の別注によって都会的な仕様にアジャストしたということですね。

畑山:そうですね。中津さんが仰っていた動きやすいパターンはそのままにしつつ、ぼくたちのほうでシルエットを変更しました。着丈を短めにして、身幅を広めに出すことによって丸みを帯びたフォルムになるように再設計しました。あとは刺繍も配色を効かせながらファッショナブルな見え方になるようにアレンジしています。

中津:全体的に馴染んでますよね。

畑山:「GORE-TEX®」という刺繍もデザインとして使いたかったので、もともとは袖にあったものを背中に移行させたりと、細かな部分にも気を配ってますね。


ブランド、工場、ゴア社が一緒になって品質を守っている。

ー過酷な実釣シーンにも対応する機能を都会的にアレンジしつつ、先ほどの話もあった通り、今回は「ゴアテックス® ファブリクス」を採用しているのも大きなポイントですよね。この生地の魅力はどんなところにありますか?

平井:現在「ゴアテックス® ブランド」では、フッ素フリーの生地に全面的な切り替えを進めています。今回使用しているのも次世代のファブリックで、ePE(延伸ポリエチレン)メンブレンを採用しているんです。従来よりも薄く、軽量化にも成功していて、街で着る際もしなやかな着心地になっているのが魅力です。なので、今回のような中綿入りのウェアとも非常に相性がいいんです。

ー時代を先読みしながら常に開発を続けているということですか?

平井:「ゴアテックス® ブランド」がスタートして来年で50周年を迎えます。私たちは素材メーカーとしてさまざまな事業を展開しているのですが、ファッションやアウトドアの領域に関してはいち早く規制に対応するために、10年以上も前から新素材の研究開発を進めてきました。本社や研究施設はアメリカにあるのですが、日本にも開発チームがいて、国内のメーカーさんと一緒に表生地や裏地の開発を行なっています。

ー高い防水や撥水性を謳うファブリックメーカーはたくさんありますが、その中で「ゴアテックス® プロダクト」ならではの魅力って、どんなところにありますか?

平井:「ゴアテックス® プロダクト」は高い耐久防水性、透湿性、あとは防風性の3つの基本性能が軸になっています。その中でも耐久性に関しては、他の防水透湿素材と比較しても強い部分だと自負しています。洗濯しても性能が落ちずに、長いあいだ初期値をキープできるんです。

中津:品質管理が徹底されてますよね。

平井:そうなんです。最終製品も我々のほうで防水性、透湿性に関する品質テストを行なっていて、クオリティを担保しています。そうしたスキームを持っている素材メーカーは他にないんですよ。

ひと口に「ゴアテックス® ファブリクス」といっても、さまざまな特性を持つ生地が存在。その中からブランドやメーカーが適材適所で生地を選び、プロダクトをつくっている。

ー「ゴアテックス® プロダクト」を扱えるブランドや縫製工場も限られるという話を聞いたことがあります。

平井:パートナーブランドさんとはライセンス契約を結んでいます、ライセンス契約のないブランドやメーカーさんには生地を販売することができない仕組みになっています。そしてウェアを生産する縫製工場も、私たちが認可したところでないと生地を縫うことができません。技術力はもちろんですが、ソーシャルコンプライアンスなど、社会的な観点からも監査させていただいています。それをせずにブランドロゴや素材がひとり歩きをしてしまうと、最終製品のクオリティーを確保することが難しくなる。なのでパートナーブランド、工場、そして私たちが一緒になって品質を守っていこうというシステムを持たせてもらっています。

ー中津さんと畑山さんは、どんなところに「ゴアテックス® プロダクト」の魅力を感じますか?

中津:ぼくはもともとファッションの世界に身を置いていたのですが、〈ダイワ〉に入ってからはより強く「ゴアテックス® プロダクト」の素晴らしさを感じるようになりました。結構ラフに使ってもしっかりと耐えてくれるんですよ。もちろん洗濯をしたりなど、メンテナンスもしないといけないのですが、他の生地に比べると耐久性は遥かに高い。

畑山:ぼくも中津さんの意見と同じです。10年以上前に手に入れたジャケットがまだ使えるんですよ。それってやっぱり耐久性が高いからなんですよね。

ーそうした耐久性は、どうやって生まれるんですか?

平井:第一にはメンブレンが強いということですね。一般的な防水フィルムはポリウレタン単一のものが多く、加水分解が起きてしまうんです。「ゴアテックス® メンブレン」の場合は従来だとフッ素樹脂由来で、劣化がほとんどない素材なんです。一方で新しい次世代型は、ePEという延伸ポリエチレンをベースにした複合素材で、非常に耐久性が高いという確証を研究の結果で得ています。なので今回のアウターもきちんと長く使えるものになっているんです。

中津:でも、長持ちさせるためにはメンテナンスが必要ですよね。

平井:そうですね。メンテナンスがされていないと、製品としての寿命に影響がでます。皮脂の汚れや、汗、化粧品や日焼け止めの成分が生地やシームテープに残ると、それが原因で生地が剥がれてしまったりするので、こまめな洗濯を推奨しています。

ー家庭での洗濯で問題ないと。

平井:大丈夫です。ただ、洗濯機で洗うか、手洗いするかは製品によって変わるので品質表示をご確認ください。基本的に「ゴアテックス® ファブリクス」はメーカーさんにご提案する前に過酷な洗濯耐久試験を行なっていて、それにクリアしたものだけが世に出回っているんです。アメリカのラボには洗濯機が何十台と並んだウォッシングルームがあり、そこで提案前の新しい生地を何百回と洗濯にかけているんです。

中津:ぼくも拝見しましたが、びっくりするほど過酷なテストをされていますよね。やりすぎじゃない? ってくらいでしたよ(笑)。


海から都市へというストーリーも感じられる。

ー今回のアイテムに関して、「ジャーナル スタンダード レリューム」としては、どんなファッションを提案していますか?

畑山:ミニマルなサイジングで着られるのがポイントなので、裾のドローコードをギュッと絞ってワイドなパンツに合わせてもらえると、トレンドを意識した着きこなしになると思います。

中津:中綿が入ることによってボリューム感も出て、シルエットがいまっぽくなりますよね。この企画には光沢を抑えた「ゴアテックス® ファブリクス」を採用しているので、ジャケットだけが目立つようなこともない。

畑山:こういうシルエットのアウターって、どうしても動きづらかったりするんですけど、着てみると肩がストレスなく動かせるのを実感いただけると思います。腕の上げ下げが本当にスムーズだし、裾が上に引っ張られることもないので。

平井:このカモフラージュは、なんのカモなんですか?

中津:定期的に〈ダイワ〉でオリジナルのカモフラージュ柄を制作しているんですが、これはシーウィードで海藻の柄なんです。

畑山:お店でもこの柄が好調です。ありそうでなかったグラフィックなので。一般的なカモはミリタリー色が強くて、どうしても男臭くなるんですけど、これだと気が利いていておしゃれに見えるんですよ。

平井:従来のアウトドアウェアって山から街へっていう流れでしたが、今回は海から都市へという流れで、そうしたストーリーも感じられますね。

ー今後もこうした取り組みは継続されるんですか?

中津:やっていきたいですね。〈ダイワ〉らしい新しいプロダクトを毎シーズンつくる一方で、定番として定着したものもでてきました。その両軸を「ジャーナル スタンダード レリューム」さんと一緒に、さらにアップデートしていければいいなと思っています。

畑山:取り組みは継続しつつ、さらにユニークな提案をお客さまにできるように、チャレンジし続けられたらと思っています。

平井:「ゴアテックス® ブランド」としても、こうした取り組みのおかげで、たくさんの方々に私たちのプロダクトをお届けできるのは本当にうれしいこと。今後どういったアイテムが生まれるのか、私たちとしても楽しみにしています。

INFORMATION

JOURNAL STANDARD relume

Instagram:@js_relume
YouTube:@JOURNALSTANDARDrelumeChannel
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