先日、フイナムで〈ロロ・ピアーナ(Loro Piana)〉の新作を取り上げました。それはリネンのセットアップなのですが、実際に手にしたときのしなやかな感触は数ある服のなかでも別格で、メゾンの本質が引き出し豊富な素材使いにあることを感じさせました。
そんな〈ロロ・ピアーナ〉のファブリックの美しさを示すのが、新たに生まれる東京・表参道店のファサードです。
これを手掛けるのは、建築家の青木淳。改めて説明すると青木氏は、日本を代表する建築家のひとりです。昨年開かれた「第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」では日本館のキュレーターを務めました。
彼は新店の外観について「イタリアで特別に焼成したテラコッタを柔らかな曲線状に連ねた、まるで織物の縦糸のようなファサードです。カシミヤの手触りのように繊細でありながら、建築として力強く存在するこの外装は、メゾンが大切にしてきた『本物の素材が生む高揚感』を、これまでにないスケールで表現しています」と話します。
表参道店の外観のスケッチ
用いられるのは、1,400枚以上のテラコッタタイル。粘土の成形から切断、乾燥まで3週間以上掛かり、焼成された後、色付けに〈ロロ・ピアーナ〉のために用意された7色を使うとか。
タイルの制作開始からファサードが完成する1年以上のプロセスのうち、3ヵ月以上をタイルの制作に充てるというから驚きです。
4つのフロアからなる「ロロ・ピアーナ表参道店」のオープンは今年10月の予定とのこと。これは稀有なメゾンの世界観を確かめられる、日本でも数少ない店舗のひとつになりそうです。

