去る1月にパリで行われた〈ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)〉のショーのフィナーレは、無数のマーブルに埋め尽くされた。それはデザイナーにとって、最も思い入れのある意匠だった。
書籍の装飾などに用いられる伝統的な技法、エブル。油性塗料を水面に散らし、紙に写し取っていくという15世紀のトルコで生まれた由緒正しい技法だ。
ドリスはこれをテキスタイルの上で表現すべく協力してくれる職人を虱潰しに探した。そうして300点にのぼる〈ドリス ヴァン ノッテン〉だけのマーブルプリントがロンドンにある職人のアトリエで呱々の声を上げた。
ドリスの才が色彩感覚にあることはよく知られているところだが、色と地続きにある柄に対してもその才は遺憾なく発揮される。これまでに無数のモチーフをコレクションに採り入れてきたが、いずれも巧妙に溶け込んでいた。そして今回のマーブルプリントも例外ではなかった。
このコレクションについてはディテールの解説は不要だろう。ブルゾンもパーカもスエットも、ひとつのアート作品を鑑賞するように愛でるのが正しい。
Marble Print Zip Blouson “VICTORY” ¥188,000+TAX
Marble Print Sweat Shirt “HALXTON PR OCEAN” ¥68,000+TAX
Marble Print Quilting Zip Blouson “VESLEY” ¥133,000+TAX
Marble Print Reversible Parka “VENCEL REV” ¥152,000+TAX
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
ドリス ヴァン ノッテン
電話:03-6820-8104
www.driesvannoten.com