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安田昂弘が個展、Concreteを開催。見るという行為、記憶の曖昧さに迫るひととき。

安田昂弘の個展「Concrete」が、ギャラリーの「ボイルド(VOILLD)」にて開催されます。

グラフィックデザイナー、アートディレクター、ムービーディレクターなど、多彩な顔を持つ安田昂弘。ファッションのフィールドで言えば、今年は〈ナイキラボ(NIKELAB)〉×〈アンダーカバー(UNDERCOVER)〉のアートディレクションや、〈ファセッタズム〉のグラフィックデザインなどで手腕を振るいました。ミュージシャンやアーティストからの支持も厚く、広告やプロダクトのデザインも手がけています。

本展では、近年着目し疑問を抱き続け、作品をつくる上での根本的な題材ともなっている “見る” という事を軸にしながら、記憶や印象といった抽象的で形のない目に見えないものをいかに「具体化(Concrete)」し、CGで表現できるかというテーマのもと作品が制作されました。

以下、安田昂弘の言葉です。個展に触れる上で重要な言葉だったので、そのまま掲載します。

思わぬタイミングで異常に強い光を見た。
形容しがたいくらいとても純粋で、人々が待ち望む光だ。
まるで鬱屈とした日々を粛々と過ごすための活力が一瞬のそこにあるように、その魔法のような強烈な光が人々を包んでいた。当たり前なことを改めて突きつけられた気がした。
全ての光の向くべき先は、常にある誰かにとっての見たことのない世界を魔法のように見せ、希望を与えることだと思った。強い光の前では全てが消える。それを形作るのは無の存在だ。
自分に作る事ができるのは眼に一瞬だけ入れる事ができる光で、眼を閉じれば途端に無くなってしまう。
人間の目はカメラではない。
人は見たいように見る。覚えておきたいと思ったもののみ、脳に曖昧な光の記録を残す。
それを表現と呼ぶなら、自分はまだまだ勉強が足りない。
俺が憧れ、大好きだった魔法は光やハレーションのように、実はそこに何も無い事だったのかもしれない。

会場ではグラフィックをベースにした平面作品、約10点が展示される予定。12月7日(金)の19時から22時はアーティストを囲んだオープニングレセプションも開催されます。

自分が見た光景と、脳にインプットした記憶がどれほど曖昧なのか。人間の身体的なメカニズムと、感覚の不安定性を問う作品群は、凡百のそれとはまた違う面白さを孕んでいることでしょう。

Text_Rei Kawahara


Takahiro Yasuda 4th Solo Exhibition “Concrete”
会場:VOILLD
住所:東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F
会期:2018年12月8日(土)~1月13日(日)
開廊:水木金 14:00〜19:00、土日 12:00〜18:00
休廊日:月曜・火曜、12月24日(月)〜2019年1月8日(火)
入場料:無料
オープニングレセプション:12月7日(金)
時間:19:00〜22:00
www.voilld.com

安田昂弘|Takahiro Yasuda
グラフィックデザイナー / アートディレクター
1985年生まれ。血液型O型。獅子座。名古屋市出身。美術大学を卒業後、2010年に株式会社ドラフトに入社。グラフィックデザインから映像、プロダクトデザイン、デジタルクリエイションまで、多岐にわたるプロジェクトに参加。2015年同社より独立し、CEKAIに所属。アートディレクション、グラフィックデザインだけでなく、国内外での作品展示、デジタル領域のデザインやプロダクト、映像監督など人間のフィジカル的な視点とグラフィックのあり方を考察し、様々なクリエイティブでの活動を展開している。身長は189.5cm。

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