ベタではありますが、スマホさえあれば世界中どこからでも欲しいものが買えてしまう現代において、わざわざ店頭に赴き買い物をする意義というのは、やはり“体験”を買うことにあるんじゃないかと。
そういう意味で、国内3店舗目としてオープンした「レッド・ウィング・シュー・ストア・仙台店」は、近くを訪れた際にはぜひ足を運んでもらいたいショップです。
店舗があるのは、古着屋から「マーク・ジェイコブス」までが並ぶファッションエリアの一角。
「東京青山店」「大阪LUMBER CO.店」と同様、“ブランドの世界観を体験してもらい、その価値を実感できる場所”との位置づけで設計された店内には、定番品から最新作、歴史的資料が所狭しと並びます。
約165㎡の面積を誇る、広々とした店内。
壁一面には、カラーやワイズ違いの主要な定番モデルがずらりと並ぶ。
一般的にはチェルシーブーツと呼ばれる型だが、19世紀から20世紀初頭にはアメリカで幅広く履かれており、“コングレス・ブーツ”と呼ばれていたそう。幕末の日本で坂本龍馬が愛用していたことでも知られる。ブーツ 各¥49,000+TAX
16AWシーズンの新作は、ハンティング用のカモフラ柄をまとったクラシックワーク6インチ・モック・トゥ。〈レッド・ウィング〉ではあまり見かけないデザインながら、アイリッシュセッターが元々ハンティング用の靴であったことを考えると納得。ブーツ ¥36,900+TAX
併設のリペアコーナーでは、純正パーツを使用したリペアが受けられる。
幅広いラインナップは当然のこと、ひとりひとりの足により良くフィットするよう主要17モデルにはワイズを2~3種類ずつ用意しているのだとか。深い知識を持つスタッフのアシスタントを受けながら最良の一足を選べる上、リペアコーナーも完備されていたりと、その充実ぶりはとにかく頼もしい限り。
また、創業から100余年を数える歴史と、それに裏打ちされた確かな品質を感じることができるのも直営店の魅力のひとつです。
そもそも〈レッド・ウィング〉というブランド名は、1905年に同ブランドが創業したミネソタ州の「レッド・ウィング」という街の名前から由来したもの。
各工程ごとに使用する機械も異なる。〈レッド・ウィング〉の代名詞とも言える、アッパーのトリプルステッチを生み出すミシン(右)は、今なお工場で使用されているモデル。
アッパーの縫製からソールの底付けまでの工程を、順を追って展示。高い耐久性と快適な履き心地を実現するグッドイヤーウェルト製法の仕組みが一目瞭然。
1960年頃、実際に米空軍に納入されていたパイロットブーツ。ワークブーツメーカーとしての印象が強い〈レッド・ウィング〉の意外な一面を知ることができる。
同社の所有するタンナーで鞣されたレザーや工場で使われているミシン、各製造工程の展示、さらには古い広告やカタログの抜粋、ブランド黎明期に制作されたモデルはどれも、ここでしかお目にかかることができない貴重なものばかり。
ブランドの歴史に触れ、スタッフのレクチャーを受けて理想の一足を手にする。「レッド・ウィング・シュー・ストア・仙台店」で、ぜひ買い物の醍醐味を味わってみてください。
Text_Kenichiro Tatewaki
RED WING SHOE STORE 仙台
住所:宮城県仙台市青葉区中央2-7-28
電話:022-748-7280
時間:12:00~20:00(水休)