〈タグ・ホイヤー(TAG Heuer)〉が創業160周年を迎えました。これまで発表されてきた数々の名機のなかでも代表作といえば「カレラ」です。そもそもこのタイムピースが完成したのは1963年。その前年、当時CEOだったジャック・ホイヤーは、最も過酷といわれたメキシコ横断のカーレース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」の話を耳にしました。彼はこの “カレラ” というスペイン語でロードやレースを指す言葉に惹かれ、日の目を見る前のクロノグラフの名前に採用。それが時間勝負のカーレーサーたちの間で欠かせない一本なり、いつの間にかブランドのアイコンとして定着しました。
ここで紹介するのはブランドのアニバーサリーイヤーを祝う「カレラ」の2本の特別モデルです。
まずは「タグ・ホイヤー カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディション」。“基本に忠実に” という言い方がありますが、こちらのベースは1964年のシルバーカラーダイヤルの一本。当時のデザインを極力活かしつつ、36ミリだったケースを39ミリに変更し、約80時間のパワーリザーブを誇る新しいムーブメント「キャリバー ホイヤー02」を搭載。もともと9時の位置にあった永久秒針も6時の位置に変わりました。この他にも細かな変更点はいくつかありますが、下のオリジナルモデルの写真と比べると忠実なデザインが良く分かると思います。
お次は「タグ・ホイヤー カレラ 160周年 モントリオール リミテッドエディション」です。「モントリオール」はもともと1972年に発売された知る人ぞ知る一本で、いまやコレクターズピース。当時としては斬新なグラフィカルな色使いに特徴があり、「カレラ」のなかでも異質な存在でした。復刻された一本はオリジナルのカラーリングを踏襲しつつ、3カウンターを配した特別モデルへと生まれ変わりました。こちらもムーブメントは先程と同じ「キャリバー ホイヤー 02」です。
つい先日ご紹介した〈フラグメントデザイン〉とのコラボモデルに続いて、またしても目の離せないタイムピースが登場しました。矢継ぎ早に繰り出す辺りからもアニバーサリーイヤーにかける〈タグ・ホイヤー〉の意気込みが十分良く伝わってきます。