ラグジュアリーブランドにはラグジュアリーブランドと呼ばれるに足るポテンシャルがある。これを細かく検証しようというのが当連載の趣旨だ。幕開けは〈ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)〉。まずはこちらのスニーカーを舞台にあげよう。
いきなり目に飛び込むのは横顔いっぱいに施された “LOUIS” のグラフィック。左足に目を転じれば、そこには “VUITTON” の文字が。大胆なグラフィックが描かれながらもスーツにさえ合わせられそうな品を感じるのは、ひとえに禁欲的なカラーパレット、そして上質なマテリアルを積み上げた賜物である。きめ細かく織り込まれたコットン・キャンバスのアッパーにはふっくらとした弾力があり、トーンオントーンでレースステイとカウンターに配したスエードはそこはかとなくリュクスな空気感を醸し出す。
グラフィックのインパクトについ目を奪われてしまうが、シューレースも見どころのひとつ。二重にしたシューレースは強度が生まれるだけでなく、シンプルなデザインの適度な重石にもなってくれる。
〈ルイ・ヴィトン〉の凄みは、ひとつひとつの素材やつくりが秀でているのは言わずもがな、洗練をきわめたこのエディット能力にある。今春登場した「タトゥー・ライン スニーカー」の新作は履くだけで背筋が伸びること請け合いだ。
Photo_Masaki Sato
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
電話:0120-00-1854
www.louisvuitton.com