「何を言うかではなく、誰が言うか」というような言い回しをよく聞きます。そうだよなと思う反面、どうなのかなと思ったりも。
ファッション界においても「何を作るかではなく誰が作るか」が重要に捉えられがちだったりします。
ですが、この〈チェイス(CHASSE)〉というブランドは、デザイナーは非公表のままに、シーズンを追うごとに着実に支持を広げている実力派です。
今シーズンのテーマは「Episode 0(エピソード ゼロ)」。その名の通り、ここからまた新たなスタート、という気持ちが込められています。
〈チェイス〉の特徴はいくつかあるのですが、そのひとつがカジュアルになりがちな化繊素材のアイテムを、どこまで美しく表現できるかを追求しているというところです。
今回のコレクションもその点のこだわりは半端ではありません。
色気のある化繊アイテム、それは例えば「コードを絞る」「ジップを開く」というような、ほんの少しのアクションで表情が劇的に変化することだったりします。
速乾性、防水、防風、静電気防止などの機能面は当然のようにキープしながら、落とし所はあくまでもファッション。ギアとかツールとかではないのです。
現代を快適に、そして美しく品よく過ごすための戦闘服、それが〈チェイス〉というブランドなのだと思います。
あとは毎シーズン、ルックのビジュアルが素晴らしいですね。凛としていて。