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連載【マイナーグッド図鑑】VOL.2 お茶目なブルックス ブラザーズ。

王道ブランドの定番品はやっぱりいい。定番と言われるだけあって歴史があるし、信頼できるスペックもあって、何歳になっても飽きない。でもこれはちょっと天邪鬼なひとに向けた連載企画。あのブランドの、実は知られていない、けどグッとくるものを紹介します。第2回目は〈ブルックス ブラザーズ〉のマイナーグッド。

Photo_Arata Suzuki
Styling_So Matsukawa
Text&Edit_Yuri Sudo


仕立てのいい服を着て、見えないところに気を配り、それでいて心の余裕がある。

〈ブルックス ブラザーズ〉は、そんな紳士こそ袖を通すブランド。1818年にアメリカで創業して以来、アメリカントラッドの提唱者として君臨しつづけてきました。

彼らのポリシーは大きくふたつ。最高品質のものを生産することと、ブランドの方針に賛同してくれるひとにのみ販売すること。売れるものを大量生産するという現代のトレンドとは異なり、長い時間をかけて確固たるブランドの世界観を守ってきたのです。

ただ、頑固一徹ではないのが〈ブルックス ブラザーズ〉のすごいところ。店頭を見てみると、アメトラの歴史を象徴するアイテムがある一方で、こんなアイテムがあることに気づきます。

スーピマコットン テニスプレイヤーインターシャ クルーネックセーター
¥30,800

ネイビーのクルーネックセーターの真ん中に大きく配されているのは、テニスプレイヤー。日に焼けた肌と真っ白なテニスウェアがよく映えます。それもそのはず、ボディにスーピマコットンを採用しているから発色がいいのです。

芸も細かい。白のテニスウェアにはグレーの陰影が入っていて、まるでテニスコートから飛び出してきたような立体感です。そしてフォアハンドのポーズも、正面から描きたくなるところをあえて後ろから。独特な視点にもなんだかグッときます。

そういえば、〈ブルックス ブラザーズ〉はこれまでもユニークな柄のトップスを展開してきました。モチーフは乗馬やフットボール、スキーなどのスポーツ系に加え、鴨やペンギン、犬などの動物系も。ブランドを愛用しているアメリカ東部のエスタブリッシュメントの趣味や生活スタイルから由来していることがわかります。いずれもタッチがかわいらしく、ブランドの中でもいい意味で気の抜けたアイテムです。

コットン ロブスター ボクサーショーツ
¥3,850

アパレルアイテムのみならず、〈ブルックス ブラザーズ〉のアンダーウェアも良いというのは周知の事実。けれど、こんなユニークな柄があるのは知ってましたか?

全面に所狭しとプリントされているのはロブスター。なぜかと聞かれれば、ニューヨークの夏の高級避暑地であるロングアイランド島で獲れるから。水辺を想起させる爽やかなライトブルーのボディに、赤が気持ちよく映えます。あらゆる角度から見たロブスターがイラストで描かれていて、目にも楽しい。普段はパンツで隠れてしまうからこそ、ごく私的に嗜むものとして1つ持っておいてもいいかもしれません。

ちなみに以前はビーグルやリスの柄もあって、毎シーズン変わるそう。これこそブランドのアイテムをつぶさに追いかけているひとじゃないとわからない変化。素敵なマイナーチェンジです。

冒頭の話に戻ると、きっと紳士と呼ばれるひとはこんなお茶目な〈ブルックス ブラザーズ〉も知っていることでしょう。

ロケ地メモ:ある制作会社の会議テーブル。ガラスのテーブルは透けるから足元のスタイルも気が抜けない。

INFORMATION

Brooks Brothers

公式サイト
公式インスタグラム

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