王道ブランドの定番品はやっぱりいい。定番と言われるだけあって歴史があるし、信頼できるスペックもあって、何歳になっても飽きない。でもこれはちょっと天邪鬼なひとに向けた連載企画。あのブランドの、実は知られていない、けどグッとくるものを紹介します。第3回目は〈カーハート WIP〉のマイナーグッド。
Photo_Arata Suzuki
Styling_So Matsukawa
Text&Edit_Yuri Sudo
ワークウェアとスポーツウェアの服づくりのアプローチは似ている気がします。
ワークウェアは現場と密接で、たとえば衝撃がかかりやすい部分に補強をしたり、耐久性を求めてオンスを変更したり。現場の声をそのまま服に反映しています。スポーツウェアも同じ。プレイ中に感じるストレスは、都度、機能面やデザイン面で解決をして進化してきました。
何が言いたいかと言うと、ワークウェアの文脈がある〈カーハート WIP〉がこんな服をつくるのは意外と理にかなっているんです。
ハート フットボール Tシャツ ¥17,600
こちらは今季限定で発売されている〈カーハート WIP〉のフットボールTシャツ。
ゲームシャツはファッションに寄せているケースが多いなか、これはデザインからして90年代のゲームシャツへの敬意が感じられます。ボディに総柄のジャガード織風のプリントがなされていたり、Vネックでもクルーでもなく襟付きだったり、時代の空気がむんむん。両胸にはメーカーロゴやワッペンさながら、ブランドにちなんだグラフィックが刺繍とプリントで施されています。
シルエット的に、競技用というよりは日常着として着るのがよさそうですが、速乾性、吸湿性に優れた生地を使っているから多少のアクティブな動きにも対応してくれそうです。
ハート フットボール Tシャツ ¥17,600
古着でゲームシャツを探す楽しさもありますが、〈カーハート WIP〉がつくる新品のゲームシャツを選ぶなんてのもオツですよね。カジュアルなお値段ですし、1枚持っていても損はないはず。
ちなみに〈カーハート WIP〉は、過去にバスケットボールや、卓球セット、ストライカージャージなども展開していて、定期的にスポーツ競技に対するアプローチも行っているみたいです。
ベンフォード・パンツ ¥22,000
そんな延長でこんなものも。トラックスーツにインスパイアされた、その名も「ベンフォード・パンツ」。
デザインはいたってシンプル。無起毛のポリコットン素材を使用したネイビーのボディに、ピンクのパイピングが走ります。スクリプトロゴが小さく配されていて、ふと学生時代の学校ジャージを思い出してしまいそうですが、ここはジャケットやシャツと合わせて都会的に着るとしましょう。
〈カーハート WIP〉の服で、仕事の汗はもちろん、スポーツの汗も流せそうです。
ロケ地メモ:香水屋で働いているひとの部屋。吊るしている裸電球がポイント。