HIP NEWS #11
2020.10.02 UP
Text_Shinri Kobayashi
Edit_Hideki Shibayama
海と山の楽しさを身を持って知り、アウトドアやサーフィンまでさまざまなメディアで縦横無尽に活躍する写真家・熊野淳司さん。
故郷の湘南海岸の波をスローシャッターで捉えた写真展「なみいろ」が、キヤノンギャラリー銀座にて10月8日(木)~10月14日(水)で開催します。
長時間露光で切り取ることで、写真には時間の層と波の形や色が重なり、日常で見る波とは違う姿を写し出します。それは画家が色を塗り重ねる絵のように、カメラという道具による色を塗り重ねた一種の絵画とも言えるのかもしれません。
「初めて波に乗った時、自然のエネルギーを体がとらえて水面の上を進んでいく感覚は衝撃的だった… すぐにサーフィンに夢中になり、そして私はサーファーと波の美しさを撮り始めた。
最初の頃、波は岸でただ波打っているものだと思っていた。しかし、実際には遥か遠くの沖合で生まれ、長い旅をして目の前の岸で波となって消えてく… 遠くの出来事と目の前の出来事が繋がっているのだ。私は波を被写体にすることで波と繋がる…。」とは、この展示に際しての作家の言葉です。
写真は瞬間を捉えるメディアだと思われがちですが、スローシャッターによってある一定の時間の幅を一枚画に圧縮することもできるのです。「なみいろ」の写真に写る時間は、サーファーが“自然のエネルギーを体がとらえて水面の上を進んでいく”、あの幸福な時間と共鳴している気がしてなりません。
会期: 2020年10月8日(木)~10月14日(水)
会場:キヤノンギャラリー銀座
住所:東京都中央区銀座3-9-7 トレランス銀座ビルディング1F
時間:10:30~17:00(最終日は15:00まで)
休館日:日曜、祝日
cweb.canon.jp/gallery/archive/kumano-namiiro/
※会場のキヤノンギャラリーでは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「ご来場のお客さまへのお願い」を呼びかけています。ウェブサイトでご確認ください。
Text_Shinri Kobayashi
Edit_Hideki Shibayama