いろんな顔を持った動物がいいんじゃないかと思って"キツネ"にしました

―Masayaさんは、結構幼いころにパリに移られたってお伺いしたんですが。

M:小学校6年生ですね。

―それまではどちらにいらっしゃったんですか?

M:東京の目黒にいました。まだ建物も何にもなかった。20年前ですからね(笑)。芝生がまだありましたね。今はちょっとオシャレな感じですけど、もっと下町っぽい感じでした。フランスに移ってからは中学、高校と現地の学校に通って。高校を出てからはとりあえずニューヨークに行きました。ブルックリンに1年ほど住んでいて、結局またパリに戻ってきて建築を始めたんですけど。

―そうなんですね。

M:で、建築を学び、嬉しいことに建築士の資格を取りまして、取ってその後は建築事務所にいました。普通に。で、普通に事務所にいて、製図引き、模型作りをしてたんですけど、ジルダと一緒に会社を作ってみないかということになって音楽レーベルからスタートしました。洋服は作りたいと思ってたんですけどもやっぱりわからないですからね、どうやっていいか。だから時間はかかりましたね。今まだ5年目なんですけど。でもファーストコレクションは、ポロシャツ1枚、VネックのTシャツ1枚、デニムのパンツ1枚、で、カーディガン1枚。それがコレクションだったんですよ。やっぱりバイヤーさんみんな驚いてましたね。さすがに。「これがコレクションですか?」「ハイそうです」みたいな。

―(笑)。

M:でもそのころからね、世界中のいいお店に興味を持ってもらえたことは嬉しいです。あの、人気があるっていうのは感じますね。自分で言うのも何ですけど。向こうの街角で見かけますからね。自分の洋服を着ている人を。でもやっぱり、いろんな国をまわってみて、一番自分の洋服を愛してくれている人が多いのは日本だっていうのは感じます。嬉しいですね。

―ちなみに、"KITSUNÉ"というブランド名の由来は何ですか?

M:狐という動物は、昔から伝説でいろんな顔を持っていると言いますので。やっぱりその、洋服作りをしたり、音楽レーベルを持ち、もしかしたらファーニチャーのハウスブランドになるかもしれないし。いろんなフォーマットでビジネスをしていきたいと思うので、そうした時にそういういろんな顔を持った動物がいいんじゃないかと思って"キツネ"にしました。

―なるほど。"キツネ"ってでも日本語ですよね。

M:それが"フォックス"だったらね(笑)。自分もやっぱり日本人だし、日本語で。日本の言葉でのブランドってなかなか無いじゃないですか。ニューヨークのフィフスアベニューの「バーグドルフ グッドマン」に行っても〈ジュンヤ ワタナベ〉なり、日本人の名前のブランドは入ってますけど、日本語の単語でのブランドっていうのは無いと思うんですよね。だからいいんじゃないですかね。

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Kitsunè presents
GILDAS & MASAYA "TOKYO"
¥2,730

2月17日に発売されたばかりの最新作がこちら。パリ、ニューヨークに続き、ご当地ミックスシリーズの第3弾となる本作はトーキョー! 早速聴いてみましたが、今回もかなりいいです。朝聴いても夕方聴いても真夜中に聴いてもアガること間違いなし。HIROMIXさんと 1日東京をまわって撮影したというジャケット写真もステキです!