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韻の踏み方、ビートのノリ方。

―最初の頃は、鎮座ドープネスさんもアウアウ言ってました?

「言ってたと思いますね、たぶん。だから、人のマネでいいんじゃないんすか、最初は。この人のスタイルカッコいいな、ってパクって、マネを極めて。そうするとだんだん退屈になってきて、自分なりにやり出すじゃないですか。そうするとベースが出来てくるんじゃないですかね」

―フリースタイルをマネるの、むずかしそうっすね。

「スタイルが色々ありますよ。一時期はKREVAさんのスタイルがバーンとした時代があって。でも僕はあんま好きじゃなかったんで、こうなったと思うんです。でもKREVAさんのって相当なスキルが必要だし、すごく直接的だから、相当ハンパないんですよ。でもアレは出来ねえなと思ったし、あんなに頭の回転早くないし。ノリでやる方が好きだからこうなったんですけど。......フリースタイルは今でもやってるんです」

―どこでやってるんですか?

「立川に良い公園があって、そこで(笑)。スケートランプの近くのところで。あんま音も漏れないから、MPC(サンプラー)持ってったりして。全然、女子高生とか見てくれないっすけどね(笑)」

―え、ワーッと集まってこないんですか?

「大半はおばちゃんとかおじいちゃんスね。B-BOYは止まってくんない。みんなも振り向いてほしいから、お母さんとかに"今日の買い物なんですか?"みたいな。"ひょっとして?"みたいな。買い物袋を見せてもらいながら、"ニンジン? ジャガイモ? ひょっとしてカレー?"みたいなフリースタイルして(笑)。そうすると、すげー喜んでくれますから」

―ははははは。

「俺のライムもそうだと思うんですよね。そういう部分で共有したい、というか。B-BOYの人とかって割とそういうの嫌がるけど、結局、俺はそれがすべてだと思ってるから。バトルもするし、みんなで楽しむことも出来る方がいいなあ、と思ってて」

―へえ......、そうですか(心ここにあらず)。そうか......(落ち込む)。

「すいません、要領得なくて(笑)。やべえ、俺も焦ってきた。直角さんを夏フェスに出さないといけない(笑)。バトルに出たいんスよね?」

―ホントは怖いからあんま出たくないんですけど(笑)、文句言われないんならやっぱやっとこうかな、と。

「まあでも、disとか、ラップの世界の話でしかないスから。俺は面白ければいいと思いますけどね。ただ、韻は踏めた方が気持ちいいから、まずはケツで韻を踏んで行きましょう!」

―ケツで韻?

「1小節のケツに韻を持ってくるんです。こう......、なんだろ、"オマエが被っている帽子--"みたいな1小節、で、"チェックだ、赤色、俺も、欲しいー"みたいな(笑)。そんな感じでやっていけば」

―ああ、一小節ずつを。

「同じ韻で攻めるのは4小節くらいでいいかもしれないです。4小節を一かたまりで、韻を踏めればいいんじゃないですか?」

―そうか、それを何回も何回も。

「うん。そうすると変則的にやりたくなってきたりもするから。今度はケツで踏むんじゃなくて、韻をアタマに持って来たりして。えー...、"CD〜、持ってるか、地道〜、な俺のやり方で、自力〜、でやってくぜ、失禁〜、するなそこのおまえ"とかで1セットになるじゃないですか」

―ほおー!

「韻の置き所を変えてくのがいいかもしれないです。まずはケツから。それで今度はアタマに。で、今度は韻のレベルを、ぜんぶ母音にしちゃう。母音で踏んでいく」

―母音で踏む?

「だから、〈は〉でも〈あ〉でも〈わ〉でも一緒になってくるじゃないですか。"これはー、俺はー、誰だー、あなたー、何かー、あるかー、それかー、どうかー"だけでもラップになるじゃないですか」

―そっか! そういうことか!

「"いい気持ちー、ききがいい、いい、失禁するな君ぃ--、ビキニー、着たあのコかわいいー"とか(笑)。俺もあんまガッツリ韻は踏まないけど、母音レベルではやってるから、踏んでるとか、リズム感があるって言われるんですよ」

―なるほどー!!!!

「あ、こんな感じの話でいいんすね(笑)」

―いや、ホント、どう練習したらいいのかもわからなかったんで(笑)。あとハードルだな、と思ったのは、バトルする時、ラップするビートを選ぶじゃないですか。でもぜんぶ違うビートじゃないですか。それになじむというか、そのリズムにスッとノれるのか? っていうのが難しそうだな、って。

「あ、でも僕も苦手なビートありますよ。UMBの最後の、優勝決まった時の試合は、僕のノリ方が得意なやつ、エレクトロっぽい曲だったと思うんですけど、それに(対戦相手の)NONKEY君はうまくノれなかったんだと思いますね。NONKEY君なりのノり方はしてたけど、みんなが喜ぶノり方はしてない」

―へー。

「でも、ビートに対しては、ケツで踏むか、アタマで踏むのかも大事かもしれないです。このビートはケツかアタマで踏む方がいいか、というのを瞬時にわかるかどうか、どっちが格好よく聞こえるか、っていうところだと思いますね。その辺も訓練しかないかも。......うん。だな。俺も今気付きました(笑)」


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週刊フイナムvol.165掲載 第2回
連載2回目にしてNo.1フィメールラッパーのCOMA-CHIさんが登場!

下の漫画はクリックすると拡大します。
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【P1】駄々をこねまくる渋谷直角(34)。

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【P2】COMA-CHI姉さん登場!

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【P3】このままだとdisられる!?


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週刊フイナムvol.169掲載 第3回
後編では、COMA-CHIさんから具体的なアドバイスをたくさんいただきました。

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【P1】COMA-CHIの出した解決策とは。

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【P2】アドバイスはさらに続く......。

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【P3】レーベルも決定! (勝手に)

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