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ショップにおける、エディトリアルの醍醐味とは。

青野:で、フェニカがスタートしたのが2003年。

北村:うん、03年ですね。バイイングは02年から始まってます。

青野:今までビームスの中でもあんまりやってこなかったスタイルというか。服もあって、暮らしもあって。もうそれで、ライフスタイルが完結しちゃうようなセレクションの提案でしたね。でも、前例がなかっただけに色々とハードルもあったと思います。

エリス:やっぱり「デザインとクラフトの橋渡し」って言っても、クラフトって言葉自体がすごくダサかったよね(笑)。今でこそ手仕事って、すごく良いイメージがあるけど。

北村:そう。そういうイメージがあったから、続けていくこと、毎シーズンバイイングすることがすごく大変で。今は環境に配慮とか、自然に優しいとかって普通になってきたけど、当時いないんですよそういう人たち。じゃぁ、自分たちでオリジナルを作ってしまえば良いんですけど、作ってしまったらその世界で完結してしまうし、それがフェニカだって思われるのも嫌だったんです。自分たちは、あくまでも編集したかったんですよ。

青野:はいはい。

北村:色んなところから色んなものミックスして、それを提案するのがフェニカみたいな。

青野:編集、エディトリアルっていうのはやっぱりキーワードになってますよね。最先端のファッションを買っていた80年代の時でも、これとこれが並んでると面白いみたいなのっていうのはあったと思うんですよね。

北村:ガリアーノ(ジョン ガリアーノ)のメンズとかもやってたよね。

青野:そう。ガリアーノのメンズなんかが、全然違うテイストのブランドと一緒のコーナーにポンッと並んでる対比の面白さというか。これにこれ合わせて置いてあるのが面白いんだよねっていう、その編集の感覚っていうんですかね。ファッションとライフスタイルものが並ぶ面白さも絶対ありますよね。

エリス:あくまでもフェニカはビームスの一部ですし、自分たちだけでお店やってるわけじゃないので、ファッションだけ追求してもしょうがないし。だから、スタートはファッションなんだけど、そこから何かに移っていったりするのが自分たちのいつもの仕事のスタイルなのかなと思います。器の選び方にしても、やっぱりファッションがベースにあるので、同じようなものがあったとしても、きっと他のお店や民芸店とは違う選び方になっていると思うんですね。だから洋服好きの人がスッと入れるものが置いてあると思う。それにいわゆるファッショナブルな器は決して買おうとはしてないので(笑)。

青野:(笑)。そうですね。ファッションやるにしても王道ではなくて、そこと何かが交わるポイントっていうんですか。例えば〈ニック アシュレイ〉だったらバイクだろうし、〈モンクレール〉ならスキーとか、そういう違う要素とファッションが出会うポイントみたいなものを選んでピックアップしてるところもありますよね。

北村:そう。ファッションを考えないで作られたものにある面白さっていうか、何かのためだけに作られたものだから出てきたデザイン、というのが面白いって昔から思っていて。

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真剣な面持ちで青野さんの質問に答える二人。それにしても、二人ともとてもスタイリッシュ。肩の力を抜いた自然なお洒落を目一杯楽しんでいるのが伝わります。


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テーブルクロスにしているのはアフリカンファブリック、その上に沖縄のグラス、ピッチャー、北欧もののトレー、そしてロッキングチェアーなど、様々なテイストのアイテムが自然に馴染んでいます。


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こうして食品もラインナップされています。沖縄以外にも色々な土地のものがあるんですが、やはりすぐに売れてしまうんだそうです。テレビ番組などで紹介されるとすごいみたいです。。

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