ファッション(流行)とは一線を画したフェニカの美学。
青野:そういう意味では本物っていう言い方が正しいのかわからないけど、お二人はちゃんと作られてるものを、きちんと選んで、紹介してるっていうイメージですね。世の中でファッションといわれているような、上澄みの部分だけすーっとすくうんじゃなくて。
北村:それは意識してやってます。安い物でも高い物でも、すぐ着なくなっちゃったり飽きられる物っていうのは、やりたくないっていうか。逆にものすごくデザインされてるものでも、そういうものが後から使えることってとても多いんですよね。こんなの今だけでしょっていうのが、実はそうじゃなくて。寝かせておくと、またすごい活用したくなる時期が来たりするっていうのも、自分たちで経験してるんで。今流行ってるんだから、これやれば良いのかなみたいなセレクトっていうのは、一切してない。特にフェニカに関しては、それをすごい考えてセレクトしなきゃいけないセクションなんで。
青野:もともとビームスってパーソナルなスタイルというか、個人がこれいいんだよっていうものをお客さんに紹介するところから始まってると思うんですね。そのスタイルが、今一番色濃く出てるのは、フェニカなのかなって。なんかあんまり頑固じゃない感じが、いいなって思いました。変なこだわりが視野を狭くすることはなくて、あっちもあるし、こっちもあるし。ちゃんと色んなとこ見てる。
北村:とりあえずね、嫌いな物はないことにしようって話をしていて。
青野:おー。素晴らしい!
北村:何でも試す。食わず嫌いは絶対にしない。食べる、取りあえず。
エリス:でも、例えば市場の主流が僕らがやっているようなものに来たとして、ポンッと置けば売れるようなものが見つかったとしても、自分たちがやりたくなければそれはやらないし。そういう意味では頑固ですね(笑)。
青野:あと今、中原さん(編集部注:中原慎一郎さん ランドスケーププロダクツ代表)とか岡本さん(岡本仁さん 著書「ぼくの鹿児島案内」)が鹿児島を盛り上げるべく色々動いてますけど、そういうローカルの盛り上がりっていうのを、二人が見てて、どう思いますか?
北村:すごく良いことだと思います。中原さんみたいな人が、それぞれの土地から出てくると、もっともっと面白くなると思う。
エリス:うん。
青野:今はお二人が行った先々に種が飛んで、ようやく芽が出てきたというような時期ですよね。いずれそれがもっともっとしっかり木になっていけばいいなと思っています。一過性で終わらないようにするには、セントラル発信型じゃなくて、そういった形も必要なのかなと。お二人にはこれからもそういった種まきを期待しています。どうぞよろしくお願いします。
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〈メイド(MADE)〉というイギリスのフェアトレードブランドのアクセサリー。アフリカはケニアのマサイの人々が作るこちらは、ビール瓶の蓋や、ビーズなど、色とりどりのリサイクルパーツが楽しく並んでおり、ポップな気分にさせられます。
言わずと知れた〈柳宗理〉のバタフライスツール。何年経っても見飽きないこのエバーグリーンなデザインはまさに永世定番。和室にも洋室にもどんなテイストの部屋にもしっくり馴染みます。
このあたりは全部沖縄で作られたグラスとのこと。沖縄の人に北欧の形を頼んだらどうなるかなっていうトライだったそうですが、結果二つのテイストが混在した素晴らしいプロダクトが完成しました。