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川田十夢公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。https://twitter.com/cmrr_xxxhttp://alternativedesign.jp/

青雲、それは君が見た光。

川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/

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指揮者が指揮しているものは、何か。

2012.10.25

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当事者にしか分からないことは、当事者になってから考えることにしている。分かったふうなことは分かるまで言わないし、口をはさまない。ここ数ヶ月、「拡張現実オーケストラ」という名の、誰もがオーケストラの指揮者になれるという舞台を作ってきた。そこで、僕はデバッグという名の演奏を、何度も繰り返した。タクトを振った。そこではじめて、分かったことがある。指揮者が指揮しているものは、音楽というより時間であり、譜面というより空間であり、感情の起伏である。
指揮者というのは、映画監督とは違う。指揮をしながらにして、楽団全員の感情を背負って、自らが役者のように振る舞いながら、音楽に血脈を与えている。それは、観客の感情の起伏をも受け入れ、会場まるごと指揮することでもある。音楽に命を与えることであるし、奪うことでもある。優れた録音技術を使えば、何度でも繰り返しクオリティの高い演奏は再現できる。でも、いつの時代に於いても、そこで奏でられる音楽が一番魅力的でなければならない。それを指揮し、演出し、看板を背負うのが指揮者の役割だ。
作品に対する思い入れみたいなものが、取沙汰された時代もあった。いまは、感情の起伏を収納集約できる思い入れの思い入れみたいなものが重要になっている。一方的なメッセージよりも、いったん当事者になってもらうやり方の方が伝わることがある。実際にタクトを渡して、指揮をしてもらって、指揮者が指揮しているものは、何か。タクトを握った人に考えてもらう。
以下は、AR三兄弟それぞれがタクトを握った記録である。長男には長男の、次男には次男の、三男には三男の、役割があり思い入れがある。それを以下の映像から、タクトの感触から読み取ってもらえれば、この試みは成功である。



拡張現実オーケストラ
[日時] 10月25日(木)~11月20日(火)
各日 午後1時~ 午後3時~ 午後5時~(いずれも約30分)
[会場] 阪急百貨店(うめだ本店:9階 祝祭広場)
http://www.hankyu-dept.co.jp/grandopen/event.html
[演奏] 大阪フィルハーモニー交響楽団
[企画・開発・出演] AR三兄弟

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