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平野太呂写真家、NO.12 GALLERY主宰写真、撮ってます。小さいギャラリーも運営してます。「POOL」という写真集出してます。tarohirano.comno12gallery.com

Vertical Horizon (仮)

平野太呂
写真家、NO.12 GALLERY主宰

写真、撮ってます。小さいギャラリーも運営してます。「POOL」という写真集出してます。
tarohirano.com
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haroshi

2010.02.20

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ハーベストという名義で活動している伊藤洋くんがハロシという個人名義で展示を行っているので、見に行ってきました。彼の作品は中古のスケートボードが素材となっています。誰かが乗り古した板を回収し、再生しています。僕は彼の作品の記録写真を撮っているので、だいたいの作品はすでに知っているのですが、今回の目玉作品の『鹿』は初めて見ました。そしてその『鹿』の「角」が素晴らしいということにすぐ気が付いたのです。ハーベストやハロシの作品の醍醐味はいくつかあると思いますが、そのひとつがこの鹿の角に現れていると思います。角の構造が、スケートのボウルの骨組み構造そのものなのです。たとえば手先が器用で、造形のセンスがあれば、彼の作品はマネできてしまうかも知れません。ところが、「鹿の角」を「スケートのボウルの骨組み」をモデルに制作することは、絶対に彼にしかできない発想です。なぜなら、彼が心底スケートボードが好きで、いつも靴をボロボロにしてスケートしているからです。

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もうひとつ感心するのは、作品の中に必ず中古のスケートボードの風合いを残している事です。すべてを綺麗にしてヤスリをかけてしまえば、とても綺麗な作品になると思います。ところが、彼はその板の持っている傷や、折れた部分や、グラフィックの擦れなどを消さずに作品の中に残します。それは彼のスケートボードへの愛情表現なのだと思います。スケートボードをする事によって刻まれた、ひとつひとつの傷を、その個性を消さない。そのことでスケートボードをする事を賞賛しているのだと思います。このフェティッシュな愛情も彼ならではの表現だと感じます。

展示の期間はわずか一週間。ぜひ見にいってもらいたいものです。

HARVEST
PLSMIS

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