マット・へンズリーと軍パン - Vertical Horizon　(仮）（平野太呂）

先日、SWITCHという雑誌で俳優の村上淳さんを撮影しました。ムラジュンといえば、同世代（同い歳！）のスケーターなわけで、高校生当時は一緒には滑ったことはないものの、友人が一緒に滑っていたりと、目黒ローカルにムラジュンがいるな、ということは認識していました。インターネットも無く、雑誌もほとんどなかったわけだけど、「誰それというスケーターがどの地域にいて、上手いらしい」という情報は回っていたものです。すごいですよね。撮影終了後、その頃の話しがしたくて、切り出すと、もう、ズバリ同じ世代！同じもの見てきた！同じもの真似してる！ということが多くて嬉しくなってしまいます。それで、やっぱりマット・ヘンズリーというアメリカのスケーターに影響を受けていたわけで、ドイツ軍のモルスキン生地の軍パンを短パンに切っちゃって、ハレーダビッドソンのチェーンウォレットぶらさげて、AIRWALKのハイカットをハサミで切ってローカットだよね、という話しに。一時期、チェーンウォレットが一般的にも流行ったのって、実はヘンズリーの影響だよね、という意見も一致。熱が高じて、ヘンズリーを訪ねたらしいから、本物ですね。

僕も当時、ヘンズリーが履いている短パンが何か、キリヌキをじっくり見て研究し、ドイツ軍の軍パンらしいということを突き止め、今はなき渋谷の丸井横にあった本屋の地下のアーミー屋さんで中古のを買い、早速ハサミで切ったものです。８０年代終わりか９０年代初めの話しです。それで、今でもそれを履いています。

当時のヘンズリーさん。

最近のヘンズリーさん。フロッギング・モリーというバンドでアコーディオン弾いてます。音はアイリッシュ・パンクのような感じ。ポーグスっぽいといえばいいのかな？

紋切り型のスケーター像を見事破ってくれるヘンズリー、移動はヴェスパです。

数年前に一度、一緒にスケートできたのは嬉しかった。それで、彼がその時に履いていた靴にまた影響されちゃった。ZIGZAG SHOES。

こうして彼には実にいろいろ影響をもらってる。オペレーション・アイビーの音楽とか、ベスパとか、みんなと違うこととか。自分が着ているものや、履いているものに、自分なりのストーリーがあるのって安心する。どうしてこれを身につけているのか、納得していれば、あんまり流行関係なく着つづけられるものです。