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古着サミット。 業界屈指の古着好事家3名が集結!

2014.02.21

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ミリタリー以外にも、イレギュラーなものが好きなんです(今野)

今野: 同じ流れでタートルです。

阿部: これはいつぐらいのやつなの?

今野: うーん、ちゃんとはわからないんですけど、いろんな資料を見てたら、40年代ぐらいの写真で、これを着ているのを見つけたことがあります。白黒写真なんですけど。

栗原: 今回、今野くんが持ってきてるアイテムってニットが多いですよね。で、思うのはウールって黒でも死なない(劣化しない)じゃないですか。黒って染料が強いんですかね。

今野: なんか、動物の血を混ぜてたっていう話を聞いたことがあるんですよね。だから黒だけ生産数が少ないっていう。別々の場所で二回聞いたので、もしかしたら信憑性が高いかもしれないですね。

阿部: これはどこで買ったの?

今野: 最近名古屋で買いました。確か3万ちょっとだったと思いますね。「USMA」とはどこにも書いてないので、ただの黒いニットとして売られていました。

栗原: 実際に着てるんですか?

今野: ショールカラーは着てますね。タートルはちょっと大きいので、これからサイズを調整してからですね。あと、これはけっこう新しいものなんですが、「USMA」版の〈チャンピオン〉のリバースウィーブ。

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阿部: 無地?

今野: 無地ですね。これは無地だけ集めてるんです。"青単"(注:青単色タグ 70年代から80年前後のもの)からだよね、これって?

栗原: いや、"タタキ"(注:タタキタグ タグの四方をすべて縫い込んだ姿が、叩き打ち込んだようにみえるため、この様な名称に。50~60年代のタグ)もあるはずですね。

今野: タタキもあるの? ガゼット付きで?

栗原: 確かあったはずですね。。

今野: へー、それは見たことないなぁ。。ちょっと説明すると、リバースウィーブの中でも、ガゼット付いてるやつは「USMA」のものしかないんですよ。

ーなるほど。

栗原: そのはずですね。

今野: 本来プリントが入ってるはずなんですけど、、

阿部: なんで入ってないの?

今野: たまーにあるんですよね。B品なんですかね。でも、タグは切られてないんですよね。。

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栗原: パーカでもたまに見かけますよね。

今野: パーカのMがあったら欲しいんですよね。あったら、教えてください 笑。

栗原: がんばります 笑。というか、これでC(マーク)付きって珍しくないですか?

阿部: あ、ホントだ。〈マウンテンリサーチ(Mountain Research)〉の小林さんも、これが好きって以前言ってたよ。USMA仕様のリブがいいって。

今野: そうなんですよ、リブいいんですよね。。編み方がちょっと違うんですよね。

栗原: 昔、16~17歳くらいのときに初めてこの「USMA」のリバースを買ったんですが、「こんなリブの長いスウェットは相当古いものに違いない!」って思ったら80'Sのリバースウィーブだったっていう 笑。

今野: リブが長ければ古いっていうの、ありましたね。昔相当やられてましたね。。

阿部: それにしても、これかっこいいね。

栗原: よく見かける「USMA」のスウェットよりアームが太い気がしますね。

今野: そうだね。だから、"青単"の方が着やすいですよね。

栗原: まぁ細いですからね。でも、逆に珍しいと思います。

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ー今野さんは、主にミリタリーものが好きなんですか。

今野: ミリタリーだけじゃなくて、自分は、すごくたくさん好きなものがあるんですよ。。

阿部: 古いスキージャケットとかね。

今野: そうですね。最初はGORE-TEX®から入ったんですけど、そこから派生していってミリタリーの方にいった部分と、あとはGORE-TEX®になる前のアウトドアって、一体どういうものだったんだろうってところを突き詰めていくと、スキージャケットに行き着いたっていう。スキージャケットも当時かなり工夫して作ってるんですよ。雪が入らないように"重ね"をうまく使ってみたりとか。ダブルのライダースみたいのを着て、スキーしてるんですよね。

栗原: ローテクなんだけど、工夫して色々やってる感じですよね。

今野: そうですね。古いスキージャケットはディテールも面白くて色々集めてますね。あとミリタリー物はイレギュラーなものが多いのも魅力ですね。テストサンプルとかだと思うんですけど。

阿部: へー。

今野: あと、まだ買いやすいものになると、最近「ミックスリーフ」って呼ばれてるようなものがありますね。ベトナム戦争の入れ替わりの時期に、「袖・ポケット・身頃」で全部迷彩柄が違うっていうのが、ファティーグであったり。あとは兵士が自分で使うときに工夫して、ポケットをちょっと足したり、ハンドペイントで迷彩入れたり、パッチ付けたりとか。そういうイレギュラーものが好きなんです。

ーなるほど。

今野: ベトナム戦争のときは色々面白いものがありますね。"オフィサーメイド"っていう、上官のために作られたテーラードのジャケットがあったり。あれってスーベニア用として作られたのかな?

栗原: それもあると思うんですけど、実際に現地で戦闘服として着るために作られたものもあると思いますね。

阿部: タイガー(ストライプ)のM-65って、あれはなんなの?

栗原: あれは民間ですね。70年代よりもちょっと後です。頭文字がDLA(注:Defense Logistical Agency 国防兵站局)ではないんですよね。

今野: あっ、そうなんだ。

栗原: はい。ただ、パーツは軍に納品してるものと同じものを使って、民間用のアイテムを作ってたっていうことだと思います。

阿部: 市販で着るためのものってこと?

栗原: そうですね。現行のアルファ(インダストリー社)のMA-1と一緒ですよね。

阿部: なるほど。DLAっていうのは?

栗原: はっきりとは覚えてないんですが、要は支給品を管理するセクションのことですよね。年代によって、機関、名称が変わっていくんです。SPOとかDSAとか。。

阿部: へー、すごい世界だね。。

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今野: 話ちょっと戻りますけど、タイガーって品がありますよね。

阿部: 何種類くらいあるの?

栗原: いやー、わかんないですね。。

阿部: タイガーだけの本ってあったよね。

今野: あれだけで、一冊成立してましたからね。。「ジョン・ウェイン タイガー」、ゴールド、シルバーとかありましたよね。

栗原: はい。あと、「オキナワタイガー」っていうのもありますよね。

今野: それって沖縄で作られたものなの?

栗原: っていうことだと思いますね。コレクターが付けた通称なので、日本におけるヴィンテージ用語と一緒だとは思うんですけど。ベタシャン(注:通常のシャンブレーよりも青みが強いシャンブレーシャツ)みたいな。。

阿部: 名称で思い出したんだけど、"カバーオール"っていう名前を早く変えて欲しいんだけど。。笑

栗原: ややこしいですよね。。

ーというと??

栗原: カバーオールって、日本では4ポケットのジャケットのことを指すと思うんですけど、アメリカでは"ツナギ"のことなんですよね。でも、日本ではすっかり定着しちゃいましたよね。

今野: ツナギのことは"オールインワン"とも言うよね。

栗原: アメリカではどっちでも通用しますね。日本でいうカバーオールのことは、アメリカでは"チョーコート"、"チョージャケット"とか、"バーンジャケット"って言いますよね。農場ジャケットみたいな意味です。

阿部: そう考えると恥ずかしいね。vitamin(バイタミン)をビタミンって呼ぶようなもんでしょ? 笑 誰が言い始めたんだろうね。

ーこのあたりで今野さん編は終了。最後はバンダナのお話です。

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