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古着サミット。 業界屈指の古着好事家3名が集結!

2014.02.21

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第三講 阿部孝史氏プレゼンツ "バンダナ"

ーでは、最後はバンダナのお話に。

阿部: あんまり詳しくは語れないですけどね。

栗原: いやいや、5時間ぐらいはいけるんじゃないですか 笑。

ー笑。 今日はたくさん持ってきていただいたんですが、ドット柄が一番多いですね。

阿部: そうですね。なんで、ドット柄かっていうと、単純にこれがやっぱり一番使いやすいんですよね。色々な色があるんですが、やっぱりネイビー×白が好きですね。

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栗原: 今となっては普通に使える値段ではなくなってきてますよね。

阿部: そうだよね。だから普段使ってるバンダナも、ダブってる柄10枚位をローテーションで。それ以外は全く使ってないもん 笑。

今野: ちなみに、今1枚あたりの平均相場どれくらいなんですか?

阿部: 柄にもよるけど安いもので3000円とかじゃないかな。もう少し高いと4、5000円ぐらいとか。。

今野: ドットの中で一番高いのはどれですか?

阿部: うーん、多分1万円ぐらいじゃないかな。この外まで柄が入ってるやつとか。

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栗原: ハンカチとしては、もったいなくて使えないですよね。。

阿部: そうなんだよね。まぁ、もちろん使ってもいるんだけど、やっぱり集めてて面白いっていうのが一番かな。柄一つとっても全然違うし。

栗原: 100年以上変わらない柄とかもありますよね。

ーいつ頃から蒐集されてるんですか?

阿部: 大学2年ぐらいからですかね。その頃からライターとして仕事をしていた関係で、古着屋さんと知り合う機会があって。それで、バンダナにも古いものがあるんだな、ということを知るようになったんです。象のマークが古いとか。その当時は500円ぐらいで掘れたんですけどね。。

栗原: まだ、"FAST COLOR"がブランド名だと思ってた時期ですよね 笑。

阿部: そうだねぇ。

今野: 確かに思ってましたし、雑誌にも書いてありましたよね!

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阿部: それで、大学3年生のときにとあるショップがバンダナをためこんでる、っていう話を耳にして。いつか大量に出すって言われてたんですけど、ある日友達から連絡をもらったんです。「今日出すらしいですよ」って。それで速攻で大学から原宿に駆けつけて、その日に9万円弱使いましたね。

栗原: ! 何枚買ったんですか? 3桁ですか?

阿部: いや、3桁はいってなかったよ。1枚ちょっと高いのがあったんで。でも、それが一番まとめて買ったときかな。とにかくそのときそれぐらい好きだったんですよね。

ーなるほど。柄は他にどういうものがあるんですか?

阿部: あとは、クッキー柄っていうのもあって、、

今野: クッキー柄を吊り上げたのは、阿部くんでしょ? 笑

阿部: いやいやいや 笑。

今野: ドットとクッキーはそうだと思いますよ。

阿部: 昔は800円ぐらいで買えたのが、今は2940円みたいな感じだもんね。

ー吊り上がるっていうのは、たくさん買っちゃって玉数が減ったっていうことですか?

阿部: いや、数自体は元々そんなにないんですけど、僕がブログとかで紹介しちゃって、欲しい人が増えたような気がしますね

栗原: ステマの走りみたいなことですよね 笑。

阿部:

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今野: そういえば、バンダナのクッキー柄のウエスタンシャツってあるんですか?

阿部: クッキー柄って、実はもう一種類あって。

栗原: あー、赤と紺のやつですよね。

阿部: そうそう。そっちもたまに"クッキー"って呼ばれてるから、もしかしたらそっちのことかもしれないね。まぁ、別にそっちが悪いってわけじゃないんだけど 笑。

栗原: あれはクッキーじゃないていうことなんですか?

阿部: そうそう。あれは俺の中では違うんだよね。

今野: 認めないっていうね 笑。

阿部: 元々クッキーていうのも、先輩たちが呼んでた名前だもんね。

栗原: 間違いなく日本人ですよね、名付け親は。

阿部: 多分、某大先輩だと思うよ。

今野: "クラッカー"っていうのが正式じゃないですかね。

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阿部: あー、そうかもね。まぁ、自分が集め始めたのも、先輩の影響です。最初は古いものから集め出して、そのうち古くないんだけど色バリ(エーション)があるようなものにいって。最近はもうやたらめったらですけどね 笑。

栗原: バンダナって、日本のお客さんからしたら、ものすごい安い値段で買いつけて3000円くらいで売って、、って思われてるかもしれないですけど、アメリカでもバンダナって高いですからね。。

今野: そうだよね。あんまりフリマとかでは見ないもんね。それこそボロ屋とか行かないと。

栗原: ボロ屋でも、僕が行ってるところで、下手したら1枚4ドル強しますからね。

今野: へー、仕入れでそんなにするんだ。。

栗原: 結構な大きさのバスケットの中に、4~5000枚入ってるんですけど、もう半分以上は中国製ですからね。中古のバンダナって今はそんな感じです。

今野: ぜいたくにヴィンテージのバンダナストールとか作っちゃったな。。

阿部: あぁ、やってたよね、たくさん使って。

今野: 中が無地のやつとかありましたよ。外だけドットで。

栗原: へー。

ー古いものだといつ頃のものがあるんですか?

阿部: まず"象さん"はそれなりに古いですね。中でも鼻が上向き、下向きっていう種類があって、下がってる方が古いんですけど。だいたい40'S以前とかだと思います。

栗原: そうですね。40~50'Sぐらいですよね。アイゼンハワーのやつは(鼻が)上がってますよね。

今野: 40年代は下がってるんですか?

阿部: 一概には言えないけど、下がってる方が多いかもね。象一匹のやつとかも面白いよね。

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今野: なんか象が、ホントに子供が書いたよう横向きの象とかってありますよね?

阿部: 最近のやつなのかな?

栗原: 中国製のやつでもありますよね。

今野: あー、そうなんだ。じゃ中国製なのかな。

栗原: かもしれないですね。。

阿部: あとよく見るのが「CRAFTED WITH PRIDE(注:1984年から展開された、アパレル製品の国内生産を推奨する運動、"CRAFTED WITH PRIDE IN AMERICA"のこと)」の星マークがあるやつに、象が入ってるっていう。

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こちらのサイトから画像は引用させていただきました。

今野: それやっかいですね 笑。

栗原: それも、昔は"今モン"って言われるような、古くないアイテムでしたけど、今となってはヴィンテージ扱いですよね。あれもそのうち80~90'Sのディテールとして、フィーチャーされそうですよね。

阿部: あー、確かに。いつかくるかもね。

栗原: あと、パリス(注:©Paris Accessories, Inc)も、もしかしたらくるかもしれないですよね。

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こちらのサイトから画像は引用させていただきました。

阿部: かもね。

栗原: ちなみに、今アメリカで作ってるのって、〈ハバハンク(HAV-A-HANK)〉ぐらいですよね。

阿部: 確かそうだね。でも、自分はあんまり惹かれないんだよね。。

栗原: 確かに、下手な中国製よりも中国製っぽいですよね。

阿部: そうなんだよね。でも、やっぱりアメリカ製がいいなって思っちゃうんだよなぁ。

今野: アメリカに持って行っちゃえばいいじゃないですか。左右縫ってくれればいいからって 笑。

ー左右というと?

阿部: 本当に一番古いものは、両端を縫ってないんです。要は、反の幅がそれしかなかったので。今のは四点縫われてるんですよね。で、80年代以前のものは、3点だけ縫われてるんですよね。そういう違いも面白さの一つというか。

栗原: ジーパンの赤耳と一緒ですよね。生地の端ってことなので。

今野: でも、いざ作るっていうときには、きちんと運針とか、綿糸でって指示しないとダメですよね。普通に化繊の糸で縫われた日には。。

阿部: 笑。そうだね。

今野: すごいステッチ幅が大きかったりとか。。

ー今よく見る、中国製との違いってどの辺なんですか?

阿部: うーん、柄とかになるのかな。生地感? いやでも生地感は下手したら中国製の方がいいかもしれないですね。

栗原: 僕も、バンダナを何百枚、何千枚って見るんですけど、基本的には"柄"ですね。一番最初に気にするのは。

今野: だいたい柔らかいのが多いですよね、アメリカ製は。中国製は硬いし厚いし、ハリがありすぎる。で、裏まで抜けてないっていうか。表だけプリントしたんだな、っていう。ちょっと白っちゃけてますよね。

阿部: 〈ハバハンク〉がそういう感じだよね。

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栗原: たまーに騙されるのもありますけどね。中国製ってわからないやつが。ドットベースなんだけど、でっかい丸があって、中に柄があって、っていうやつ。そのパターンは、たいがい間違えますね。

今野: それやだねぇ。

ー「MADE IN CHINA」って書いてるんですか?

栗原: 書いてます。たまーに、この柄珍しいなー、古いのかなってよーく見てみると、別に付いてるタグで「MADE IN INDIA」って書いてたりとか。。

今野: あー、インドかぁ。でも、インドの染料って使い込んだ後の雰囲気がすごくいいんですよね。マドラスチェックとかもそうですけど。インドのマドラス地方で、天然染色だけで染めたものって、使っていくと生地にいい意味でのモアレ感が出るというか。

栗原: まさしく今僕が着てるシャツですね。

今野: そうそう。雰囲気がすごく出るというか。ベタで塗りつぶしたはずのところも、良い感じに落ちるんですよ。今、マドラス地方でもどんどん工場が無くなってるんですよ。自分のブランドでもネルシャツを作ってもらったんですけど。。

栗原: 確かにこのシャツ、最初けっこう色抜けしましたね。

今野: 抜けるよね。でも、その後もまたかっこいいんですよね。だからインドで作ったバンダナは、けっこういいんじゃないかって。

栗原: ラルフのマドラスシャツとかも、80'Sぐらいまでのものは、すごくいいですもんね。

今野: そうだね。

阿部: なんか生地が弱いイメージがあるんだけど。

今野: はい、やっぱり打ち込みが弱いですね。織機にパワーがないんですよね。斜行しますし。乾燥機に入れたりしたら大変なことになりますよ。

栗原: バンダナも経年変化がすごく良い感じのものもありますけど、たまにものすごく歪んでるのありますよね。まっすぐ畳めないくらい。

阿部: あるよね。曲がっちゃってるやつ。

今野: あと、巻きが太いやつとかね。手抜いたんだろうなっていう。

ーそして今日はドット柄ではないものも。

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阿部: はい。こっちは使うっていうよりは、鑑賞用というか 笑。

今野: これとかシャツ生地、ブロードですね。かっこいいですね。。

阿部: これも両耳ですね。アメリカ製だよね?

栗原: そうだと思いますよ。

阿部: たまにヨーロッパ製とかもあるんですけど、そっちはあんまり人気ないんですよね。

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