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古着サミット。 業界屈指の古着好事家3名が集結!

2014.02.21

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バンダナの本を作りたいと思ってます(阿部)

ーバンダナって、元々の用途って何になるんでしょうか?

阿部: 本当の元々ってなんだろうね??

栗原: 手ぬぐい、ですかね。。

阿部: あとは、何かのキャンペーン用に作られたりとか。

栗原: 広告としては、ある意味Tシャツよりも早いですもんね。

今野: そうだよね。

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阿部: このへんは、何プリントになるの?

今野: シルクだと思います。たぶん、当時はシルクしかないと思うんですよね。。

阿部: 今でもシルクでできるのかな?

今野: できるとは思いますけど、染料、インクがけっこう難しいと思いますね。

栗原: できたとしても、すごく高くなると思います。

阿部: なるほど。。バンダナ作るにしても、なにか"らしさ"がないとダメだなって思ってて。おんなじの作ってもしょうがないし。

今野: このへんの「CARHARTT」はいいですよねぇ。これでいくらぐらいですか?

阿部: 今買うと多分5万以上じゃないかな。。

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ーこの「CARHARTT」って、あの〈カーハート〉ですか?

阿部: あのワークブランドの〈カーハート(CARHARTT)〉です。「CAR」に「HEART」で、足して「CARHARTT」です。

今野: シャレですよね。

阿部: 販促用のアイテムですね。あと、これには「DETROIT」「TORONTO」「ATLANTA」「DALLAS」って書いてますけど、これヨーロッパの地名が入ったやつもあるんだよね。

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今野: それ、珍しいですね。

阿部: そうそう。〈キャピタル(CAPITAL)〉の方が作った本に書いてました。個人的にはいつか聖林公司の方とお話してみたいな、と思ってるんですよね。聖林公司のバンダナは昔から好きなので。

ー〈カーハート〉って、他にも柄はあったんですか?

阿部: 他にも色々な柄がありますよ。高くて買えないんですけど、創業者の顔が載ってるやつとか。赤はたまに見ますけど。

今野: でも、ネイビーの方がいいですよね。

阿部: そうなんだよね。次に赤が来るって言われてたりもするんだけど、やっぱりネイビーが好き。

今野: そういえば、アメリカ製のインディゴのデニムって青く落ちるんだけど、カナダ製は緑っぽく落ちるって話を聞いたんですよ。なぜかっていうと、水の硬度、phが違うからだって。だから、スウェットとかも、最後仕上げるときに水を通すとギュッと目が詰まっていいものができるとか。布帛みたいなスウェットができるっていう。

栗原: だから、〈ウイングス&ホーンズ(wings + horns)〉のスウェットっていいんですかね。。

今野: 織機自体も違うと思うんですけどね。アメリカで使ってたような吊り編み機みたいなものがないので。あと、なんか最近思うんですけど、吊り編み機を使ったからって良くなるわけじゃないんですよね、あくまでどう使うかが大事で。吊り編み機だから安心っていう風潮はどうなのかな、っていう。その点、〈ループウィラー(LOOPWHEELER)〉はすごいですね、やっぱり。

栗原: 日本人は何事もちゃんと考えて作るけど、アメリカは偶然の産物っていうのが多いですよね。

今野: そうですね。日本人は探求心が強いですよね。バンダナひとつにしても。

阿部: 笑。

今野: なんで三方しか縫ってないんだろう。二枚分しか取れなかったからか、とか。。

阿部: そうだよね。でも、それを今海外の人が学んでるわけだよね。

今野: いやー、でも阿部くんは日本人最強ですよね。バンダナを掘り下げるというところでは。

阿部: いやいや、もっと詳しい人もたくさんいると思うよ。

栗原: やっぱり古着に関しては間違いなく日本人が世界一だと思いますね。アメリカ行ったことない人って、未だにアメリカに行けば古着がたくさんあるって思ってるんですけど、実際行くと「日本の古着屋ってホントにすごいね。アメリカってあんなに何にもないんだ。。」ってみんな言いますからね。

今野: ホントに何も見つからないもんね。。

阿部: いや、本当にすごいよ、日本の古着屋さんは。

今野: 最近熊本の方にできた「インディアンサマー(INDIAN SUMMER)」っていう古着屋さんはよかったですね。若い子がやってるんですけど、結構面白いものが多くて。30's、40'sを中心に、あとはヨーロッパもの、〈インバーアラン((INVERALLAN)〉の古いやつとかあったりして。今、ヨーロッパものもどんどん上がってますよね。

阿部: 最近、地方の古着屋さんってあんまり聞かないよね。

今野: 地方で、スペシャルのヴィンテージってことだったら新潟の「マッシュルーム(Mushroom)」がダントツじゃないですかね。

阿部: フイナムで古着屋ツアー企画やってください 笑。

今野: 是非行きたいですね!

阿部: どこがいいんだろうね。

今野: まぁ、なんだかんだ都内以外なら結局大阪じゃないですかね。

阿部: そうだよね。東京か大阪だよね。

今野: 大阪で高いんだけど、東京では安い、みたいなパターンありません? でも、結局後々東京でも上がるんですよね。

栗原: 細かいところに目を付けるのは、大阪の方が早いですね。とくに古いものとか。

今野: だから、ショールのカーディガンとかは黒が今は高いんだけど、こないだ大阪行ったら、今はネイビーとヘザーっていうか、ネップっぽいグレーがダントツに高いらしいですよ。

阿部: へー。

今野: スタジャンも茶袖っていう、袖が茶色いやつは少し高くしてるらしいんですよ。言われてみると確かにあんまり見ないんですよね。

栗原: たいがい黒ですもんね。

今野: そう。あとはファーストタイプ、スターブランド、ハウスタイプでもそうなんですが、"下シンチ"っていうディテールがあって。

阿部: 北新地? 笑

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今野: 笑。 "下シンチ"っていう、腰ベルトのところにシンチが乗ってるやつは高いっていうのがありましたね。大阪特有なのかなって思ったんですけど、こないだ高円寺でも同じようなことを言ってました。

栗原: 20's、30'sあたりが流行ったのも、大阪の方が全然早かったですもんね。

今野: A-1とかも一気に値段上げたのも大阪ですよね。「クッキークルー(Cocky Crew Store)」が〈フィルソン(FILSON)〉をガーッと盛り上げたりしてましたよね。フィルクロ(注:FIL-CLO ex FILSON CLOTHES)とか。

栗原: フィルクロは確かに関西の方が人気ですよね。。

ー話をバンダナに戻します。ちなみに、今何枚ぐらいあるんですか?

阿部: こないだちゃんと数えたんですけど、1200枚ちょいでしたね。アンカット(注:未裁断のバンダナ生地)は1と数えて、ですが。

栗原: 博物館みたいなの作ればいいんじゃないんですか。松井秀喜みたいに 笑。

阿部: 誰も来ないよ 笑。

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今野: でも、バンダナって場所もとらないし、パネルにもできるからいいですよね。。

阿部: そうなんだよね。今持ってるのだってラック一段ぐらいで収まるし。

ーで、今はご自分でも作りたいなと思ってるんですよね。

阿部: そうですね。さっきも言いましたけど、柄が外まであって両耳。こういうバンダナが作りたいんだけど、できるのかな?

今野: できると思いますよ。バンダナの耳付きの幅の織機が、まだ日本には残っているんで。それを使えばできますね。

阿部: それを持ってるところって限られるんでしょ?

今野: そうですね。僕の付き合いのある生地屋さんが言ってたのは、織機自体は今はもうかなり珍しいと。とにかくバンダナの幅でしか作れないので、需要がやっぱり限られちゃうんですよね。

阿部: 誰もが知ってる某有名ブランドのバンダナを作ってる会社を知り合いに紹介してもらったので、そこでお願いしようと思ってるんだよね。インディゴもできるらしくて。まぁ、天然じゃないけど。

今野: 天然だと、抜染して、その後に(色が)抜けちゃうかもしれないです。結局、色止めの染料入れるんだったら、合成でもあんまり変わらないかもしれないですね。

阿部: 抜染でもちゃんと色抜けるの?

今野: 抜けますね。抜けがいいやつを使えば大丈夫です。

ーそれにしてもこれだけコレクションがあると、一冊にまとまったのが見たいですね。

阿部: そうですね。本は作りたいですね。

今野: ものすごい売れると思いますけどね。

阿部: 英語表記も入れようと思ってるんだよね。

今野: アメリカで一気に値段上がりそうですね。

栗原: いやでも、ほんと際限がない趣味ですよね。

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阿部: そうだね。だから楽しいのかもしれないね。持ってるバンダナをどういう風にコンテンツ分けして本にしようか、みたいなことを考えてるのがすごく楽しいんだよね 笑。本当に飽きない。

今野: 何冊か出るとしたら、一冊買ったらずっと買っちゃいそうですよね。そういう意味では、「SUKIMONO BOOK」とかうまいですよね。

栗原: それこそ野球もののバンダナってないんですか?

阿部: 野球は94年くらいの、MLBものがあるね。

栗原: じゃぁ、見つけたら買ってください 笑。

今野: もう持ってるんじゃないの、すでに? 笑

栗原: いやいやいや 笑。

今野: ちなみに阿部さん持ってるので、一番高いのはどれですか?

阿部: 「CARHARTT」で、5万くらいかな。。

今野: はー。。栗ちゃんは今まで買ったもので一番高かったものって何?

栗原: うーん、昔、XXの革パッチで20万とか、そういうレベルだと思いますね。

今野: でも、今持ってるもので、だいぶ上がってるものとかはあるんじゃないの?

栗原: いや、どうですかね。。結構手放しちゃいますからね。

今野: でも、阿部さんじゃないですけど、自分も一回私物を整理して本にするなりしないと、ヤバイですね。たぶん30パッキンくらいあるんで。。

阿部: 今野くんも出すべきだよね。あと、欣児さん(注:サーティーファイブサマーズ 寺本欣児氏)も本出すみたいね。

今野: それ、ものすごい面白そうですね。。

栗原: ......。いやー、お二人の話聞いていると、俺よりもこの二人の方が古着好きだなーってしみじみ思いますね 笑。

今野、阿部: いやいやいや 笑!

ーいかがでしたでしょうか? 古着界屈指の好事家たちによるトークセッション。一つのことを突き詰めることで生まれる、ある種の清々しさを感じていただければ、これ幸いです。文中にもありましたが、お三方の今後の動きからもどうやら目が離せそうにありません。みなさまには各人のブログをまめにチェックしていただきつつ、フイナムでもその動向をしっかりと追いかけていきたいなと思います。

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