9月下旬のニューヨーク。この日開催されたのは、今年「Best New Menswear Designers(以下、BNMD)」に選出された3組が、それぞれ〈ギャップ(GAP)〉と展開するカプセルコレクションのお披露目パーティでした。
2007年から毎年、米国内のデザイナー・ブランドを対象に選ばれ、贈られてきた「BNMD」賞。アメリカの最も優れた新進気鋭のメンズウエアデザイナーを選出し、将来有望な若手デザイナーの活躍を支えることを目的としたプロジェクトで、過去に〈アレキサンダー・ワン(ALEXANDER WANG)〉、〈ジョン・エリオット(JOHN ELLIOTT)〉、〈エンジニアド・ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)〉など、名立たるブランドやデザイナーが受賞してきた、世界的に見ても注目度の高い賞です。
そして10年を経て、初めてその候補対象を世界へと広げ、優れたデザイナー・ブランドを選出した、この記念すべき初年度に名を連ねるのは、フランスの〈アミ(AMI)〉、アメリカの〈キンフォーク(KINFOLK)〉、そして日本から「ユナイテッドアローズ」という面々。アメリカ国内のファッション関係者をはじめ、国外から集まった来場者も多数。会場は大いに盛り上がっていました。
(左から)UNITED ARROWS & SONS Director 小木“Poggy”基史、UNITED ARROWS Creative Director 鴨志田康人、GQ Creative Director ジム・ムーア、Kinfolk Creative Director ジェイ・ペリー、AMI Designer アレクサンドル・マテュッシ
GQが「ユナイテッドアローズ」を選出した理由には、「ユナイテッドアローズ クリエイティブ ディレクターの鴨志田康人と、世界でもストリートファッションのアイコン的存在であるユナイテッドアローズ&サンズ ディレクターの小木“Poggy”基史による協奏が表現された東京の店は、メンズテーラリングスーツと先駆的なカジュアルウエアの絶妙な共存が、唯一無二の空間を生み出している」とあります。“ブランド”という枠に捉われることなく、オリジナリティを感じる「ユナイテッドアローズ」の姿勢、引いてはジャパンクオリティのファッションが世界的に認められた所以と言えるのではないでしょうか。