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栗原道彦フリーバイヤー(?)1977年生まれ2010年に有限会社ロストヒルズを退社。2011年よりフリーでの活動を開始(?)。

クリちゃんがイクッ。

栗原道彦
フリーバイヤー(?)

1977年生まれ
2010年に有限会社ロストヒルズを退社。
2011年よりフリーでの活動を開始(?)。

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かなーり古い軍物君たち。

2009.01.18

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今日はウチにしては珍しい、WWⅠ(1914~1918)頃のアイテムを中心にご紹介します。


<'18 US ARMY COTTON DRESS TUNIC SIZE: 34~36 ¥26,040>
まずはUSアーミー、コットン素材のチュニックから。
チュニックというとレディースのトップスをイメージする人がほとんどだと思いますが、アメリカではこのような軍物の正装用ジャケットも同様にチュニックと呼びます。
またコチラと同じ仕様のジャケットでウール素材のモノも存在しますが、これらは恐らく素材によって冬季用、夏季用に分けていたんではないでしょうか。


腹部内側にタグが付いていますが、所有者のネームと製造日、製造番号しか記載されていない為、もしかすると軍の支給品ではなく民間のテイラーにてオーダーで作られたモノかも知れませんね。
画像ではあまりよく見えませんが、よく見るとうっすらと"APR 16 1918"の記載が。なのでコチラは第一次大戦末期に生産されたモノという事が分かります。


ボタンは全てメタルのチェンジボタンを使用していますが、チュニックでは近年に作られたモノもそのほとんどがチェンジボタン仕様になっているので、コレは特に年代を推測するディテールにはならないようです。
ボタン裏面にメーカー名が入っており、メーカーはニュージャージー州ニューアークに存在した"AM BUTTON CO."。


襟は内芯入りのスタンドカラーを金属製のホックで留める仕様に。またそのホックが直接肌に当たらないように、内側に別布のカバーが付いています。


背面脇下あたりに若干の色落ちがありますが、それ以外は完品といっていいコンディションです。


<10's US ARMY WOOL PULLOVER SHIRT SIZE:14 ¥20,790>
続いてコチラのシャツも、上のジャケットと同じくWWⅠ頃に生産されたモノ。
コレを持っていた白人の軍物ディーラー曰く、アーミーのシャツで被り仕様になっているモノは10年代までしか存在しないディテールだそうです。
僕もネット等で色々と調べてみたんですが、結局、軍では被りのシャツがどのくらいの年代まで採用されていたかは分かりませんでした。
ただワークでも被りでボタン仕様といったシャツはそのほとんどが30年代頃に消滅しているので、コチラも30年代以前に作られたモノというのは間違いないと思います。またWWⅠ当時の写真でもこの仕様のシャツを着た兵士をよく見るので、恐らく10年代製で合っていると思うんですが。。。
いびつに歪んだバックヨークがいかにも古そうな匂いを醸し出していますね。


コチラもまた古そうなディテールで、左側のみ胸ポケットとは別にペンポケットが作られています。


台襟がそのまま伸びて襟になる、古いシャツによく見られる仕様で、その境に一本のステッチを入れることにより襟の形状を整えています。
また着脱時に滑りを良くする為か、前身頃の胸部分のみコットンの当て布が付けられています。


袖口もかなりしっかりと作られており、カフのエンド部分に軽いカーブが付けられています。
ボタンはベークライト製のモノを使用しています。


裾部分にはお約束の補強用マチが付けられています。
画像のように腹部にミシンによるリペアが施されていますが、コチラ以外は特にダメージもなく、年代、素材を考慮してもかなり良いコンディションだと思います。


<10's US ARMY WOOL PULLOVER SHIRT SIZE:14 1/2 ¥13,440>
コチラも上のシャツとほぼ同年代に生産されたモノだと思います。
素材も同じくウールを使用していますが、コチラのほうが若干、目の粗い生地を使用しており、色もカーキとオリーブの中間といった感じでしょうか。
また上のシャツとは違い、バックヨークはシンプルなストレート仕様に。


コチラは両胸とも一体型のポケットで、別体のペンポケットは付いていません。
襟、当て布のディテールは上のシャツと同じ仕様になっています。


両肘にエルボーパッチが付く、上のモノより更に豪華な仕様に。ボタンは同じくベークライト製のモノを使用しています。


コチラも裾にはしっかりとマチを装備しています。また裾内側にはスペックらしきモノが付いていた跡が残っているので、このシャツは軍で正式に採用されていたモノかも知れませんね。


前立て、腹部など、残念ながら所々に虫食いによるダメージがありますが、リペアをすればある程度きれいに直るんじゃないかと。


<USMA(?) WOOL PULLOVER SHIRT SIZE: 14 ¥20,790>
一見ネイビーモノかと思ってしまいそうなシャツですが、パッチに「黒X灰X黄」のカラーリングで描かれた蹄鉄のロゴから、恐らくUSMAの士官候補生が着用していたモノかと。
ボタンで被りといった仕様から、コチラも30年代以前に作られたモノだと思います。


この「黒X灰X黄」という配色はUSMAのスクールカラー。また「馬」と言えばアーミーのマスコットなので、このカラーリングで蹄鉄モチーフと来れば、USMAモノと考えてまず間違いないと思います。


「左右のポケットの高さが合っていない。」、「極端に小さい歪な形状の襟。」といったかなりいい加減な作りから、このシャツは軍の正式採用品ではなく、民間のテイラーによって製造されたモノかも知れませんね。
またコチラも上の2枚のシャツ同様、台襟がそのまま伸びて襟になる仕様になっています。ただ台襟と襟の堺にステッチが入っていない為か、襟の返りもあまりカッチリとしていません。
それと前身頃内側の当て布も付いておらず、その辺りの作りは上の2枚と比べるとかなり簡素な作りになっています。


襟には元の持ち主のイニシャルなのか階級なのか?ステッチによって刺繍が施されています。
また首元にはスペック&ネームタグらしきモノが付いていた跡と、若干のダメージが。


「シンプルな剣ボロ」、「マチなしの裾」と、この辺りのディテールも上の2枚のシャツと比べるとかなり簡素な作りに。
ボタンはやはりベークライト製のモノを使用しています。

今日紹介した4枚は、全てこの年代ならではのスモールサイズ君たち。
こういった小さいサイズは、やはり50,60年代以降のアーミー物ではあまり見られませんね。
またスペックの有無、素材などといった理由から、希少性、年代の割にプライス的にもお手頃になっていますので、実寸サイズ等、詳細を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

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