HOME  >  BLOG

Shop / Brand Blog

栗原道彦フリーバイヤー(?)1977年生まれ2010年に有限会社ロストヒルズを退社。2011年よりフリーでの活動を開始(?)。

クリちゃんがイクッ。

栗原道彦
フリーバイヤー(?)

1977年生まれ
2010年に有限会社ロストヒルズを退社。
2011年よりフリーでの活動を開始(?)。

Blog Menu

「レジスタード・アイデンティフィケーション・ナンバー」と「ウール・プロダクツ・ラべリング」。

2010.07.26

このエントリーをはてなブックマークに追加

CIMG6595.JPG
本日は一昨日の続きネタで、このタグが付くTシャツのメーカーを特定できた理由についてのご説明。

といっても、まあ僕もイチから自分で探り当てた訳ではないんですが、きっかけはとあるアメリカ人ディーラーから去年の秋頃に届いた無地Tのオファー・メール。
そのメールには「ユニオン・アンダーウェア」社製の無地Tシャツのデッドいらないか?」というメッセージと共に、上画像と同じタグの付いたTシャツ画像が添付されていたんです。
僕も以前からこのタグのメーカーが気になっていたので、「なんでコレのメーカー名知ってるの?」とソイツに質問したところ、「RNで分かった。」とすぐに返信が。
ただソイツも肝心の検索方法は教えてくれなかったので、自力で色々と探してみるも結局見つからずじまい。
で、一昨日の記事をアップしている最中にちょうどそのことを思い出し、試しに再度探してみると今回は意外と簡単に検索サイトに辿りつくことが出来ました。

その某サイトで検索した結果、このTシャツの製造元は確かに「ユニオン・アンダーウェア」社で、このメーカーは30年代から「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」ブランドの商標を保持、製品を製造しており、紆余曲折があって85年に社名をブランド名と同じ「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」社に変更。ただしその前社名は現在も関連会社として残っているようです。
しかも上でリンクを貼った「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」社の歴史をなんとか読んでみたところ、

「ユニオン・アンダーウェア」社は1970年代にスクリーンプリント市場にソリッドTシャツの供給を開始。企業などのプロモーション用にプリントTシャツを作成する卸売業者に、「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」のブランド名が入っていないTシャツ、スウェットシャツ、スウェットパンツなどを販売しました。
そしてこのようなソリッドTシャツの市場は後に「スクリーン・スターズ」として知られている大きなビジネスに発展していきました。

と、まさしく例のタグが付くTシャツを指している文面を発見。ということで、このタグが付くTシャツは「スクリーン・スターズ」の前身にあたるモノだったことが判明したわけです。

で、同社は何故ソレ用のソリッドTシャツにあえてブランド名を入れなかったのかを考えてみたんですが、恐らく当時の消費者の間では「フルーツ・オブ・ザ・ルームといえばアンダーウェア。」というイメージが非常に強かった為、70年代以降プリントを施してアウターとして着られるようになったTシャツにとって、そのイメージがマイナスに働く可能性があったという理由からではないでしょうか。

そしてこのブランド名なしのソリッドTシャツの成功を元に、後のマーケティングを考えた結果、「スクリーン・スターズ」というブランドが新たに生まれたのではないかと思います。

CIMG6610.JPG CIMG6608.JPG
弊社店頭商品のタグを確認してみた結果、「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」(左画像)、「スクリーン・スターズ」(右画像)共に、やはり例のタグと同じ「RN13765」というRNが記載されていました。

RNとは「レジスタード・アイデンティフィケーション・ナンバー」の略で、FTC(連邦取引委員会)から衣料品の製造、販売または輸入業務を行う会社に割り当てられる番号になります。
どうやらアメリカでは現在、米国内で製造、販売される衣料品のタグ(もしくは品質管理タグ)には正確な会社名、もしくはこのRNを記載することが法律で義務付けられているようです。

CIMG6604.JPG CIMG6603.JPG
またコチラは古着好きの間では以前からよく知られた話で、左画像のブランド名表記のないタグが付くスウェットは「ラッセル」、もしくはその子会社が製造したモノだと言われています。
で、コチラもタグを確認してみたところ、やはり両方とも同じ「WPL7232」という記載がされており、これでその話は間違いないということが証明されました。
WPLのほうは「ウール・プロダクツ・ラべリング」の略で、衣料品の中でも特にウール製品を製造、販売していた会社に割り当てられていた番号だそう。
ただしこのWPLはかなり以前に廃止され、その後は他の衣料品と同じRNに統一されていますが、過去にこの番号を所得している会社は現在も引き続き使用しても構わないという理由から、ラッセルでは未だにWPLが使われているようです。

とまあ当たり前ですが、まだまだ知らないことがいっぱいありますね。やはり古着は奥が深いということを今回も痛感させられました。

以上、古着好き以外には全く響かないであろう長文記事になってしまいましたが、途中で飽きずに最後まで読んでくれた方、大変お疲れ様でした。
僕もコレを書いてたら疲れてしまったので、本日は商品の紹介はお休みさせていただきたいと思います。ハイ。

Comments: 2

はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいております。

今回のタグの謎は自分も所有している事もあり、興味を持って読ませて頂きました!
以前、試しに調べても、古着屋の友人に聞いても答えが見つからなかったので…。

今度、自分のBLOGにて引用させていただいて宜しいでしょうか?


これからも楽しく読ませていただきますので、宜しくお願いします!

チョックンさん、コメントありがとうございます。
お役に立てたようでなによりです。どうぞチョックンさんのブログでも引用してください。
こちらこそ今後とも宜しくお願い致します。

※コメントは承認されるまで公開されません。