帰る - 土（松井智則）

４K忘年会で語り弾いた僕の新しい新曲は東京中で噂になったらしい。（苦笑）

さっそく別の忘年会にギター持参で呼ばれ30日にギターを皆の前で披露するも

自分的には人の曲しか歌えなかったから満足できず、ミュージシャンになる為

ギター１本で出てきた東京から岐阜に正月で帰るのは何か皮肉的な感じを胸に

新幹線に乗ることになった。

が、僕がギターを弾けば、誰かが歌うことが出来る。

音楽とは素晴らしい。

名古屋駅についたあと、先ほどの忘年会で一緒だった永谷さんと

矢場トンで味噌カツをたらふく食べる。

もう、ご飯おかわりで「馬鹿じゃないの？」

と言われるくらい食べるのは、親のカタキかコンチキショウと自分で

なぜかわからない正月ならどれだけ食べても問題なしっていう

言い訳がたつからだ。

永谷さんと別れ、深澤と故郷岐阜行きの列車に乗り込もうとホームで待つ。

新幹線も以外に座れた僕ら。

実際、年末だけど、30日くらいだと混んでないのかも知れないね。

岐阜に着いても、すぐ実家に帰るのはもったいない。

さっそく保育園からの親友、祐介が車で駅に迎えに来てくれたから

飲んで帰ろうと、岐阜の夜の街へ。

何件かハシゴするがイマイチ盛り上がりにかけるか、一回場所を変えようと

昔から行きつけのゲーセンにいくが、昔は朝5時くらいまで営業していた

このゲーセンも、不景気のせいか、夜1時には閉まってしまう。

ここで、これまた中学校から親友のひろしと合流。

さあ、車の中でどこにいこうか皆で相談。

30日、どこも早く閉まるから、この時点で2時の僕らはあせる。

祐介が岐阜の遊び場案内をコンビニで買ってきた。

タンゴを踊るか、サンバを踊るか、ここが運命の分かれ道のように真剣に

祐介は選んだ。

僕達、同じ船に乗るクルーは、誰もがその意見には反対しない。

それくらい強い信頼関係なんだ。

そして、彼が指差した社交ダンスの店で、男4人が素敵なダンスを踊った。

帰り道の船の中（車）では、皆、満足出来なかったという結果こそ残ったが

それでも、僕らは10代の子供のような笑顔で熱く夢を語った。

家に着いたのは朝8時。

外は明るくて、大雪。

久しぶりに実家で雪を見た。

疲れた体も、まっ白な雪を見るだけで癒される。

なんだろうね？雪とか、白い世界って、、、、

僕は汚れているのだろうか・・・。

いや、最高だって、雪が答えた。

誰も起きていない実家に「ただいま」

ってつぶやきながら入ると、いつものように菊が起きている。

「よお？今年一年どうだったか？俺は頑張ったぞ！お前は？」

って聞くと

「まあ、不景気で、ご飯の質が落ちるかと思ったけど、恵子（オカン）が頑張ってくれてる

から、俺も歳のわりに、いつも通り、ワガママなふりして横着を通せたよ」

と話す。

「そうか。。。松井家を守ってくれてありがとな。」

それだけ言うと、2階にあがって、3分たたないうちに眠りについた。