一日 - 土（松井智則）

素直に人の意見は聞くべきだが

中々、今まで築いて来た自分を作る要素が邪魔をする。

あぁでもない、こうでもない。

自問自答しながら進むのは良いが、本当に素直でいるべきだ。

そんなこと考えながら一日を僕は重ねていった。

気がついたら毎日なんとなく変化はあるが

目新しいことより、見慣れた風景や業界に身をゆだねていた。

僕は一生懸命クロールを泳ぐように体を動かした。

だけど一度そこにつかったら

抜け出すのに勇気がいるようで

あがけどあがけど体も心も自由にならない。

そんな時、夢の中で神に出会ったんだ。

神は言った。

「人生なんとでもなるから気にしなくていいんじゃない？」

そう、まるでポールマッカートニーが歌う

「LET IT BE」

のような言葉だった。

僕は少し肩の力を抜いた。

1人じゃ何も出来ない。

だから誰かに意見を求めたりする。

だけどまったく同じ人なんて数少ない。

そんな人を探しているのか

自己満足したいのかわからなくなった僕には

本当に懐かしく、嬉しい夢だった。

今日も一日がはじまる。

エゴだけで走ってきた人生も

理解しきれないまま、当分進むのだろうけど

ちょっとは楽になりそうだ。

多分気のせいだけど。