蛍雪ジェダイ
森山真司
ディストリクト ショッププレス
プレス兼ディストリクト
ホームページのコントロールとウィンドウディスプレイ担当。キャリア20年超のジェダイを目指す名物販売員
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「INSIDE MAN」
2009.07.11
「インサイドマン」
監督/スパイク・リー・出演/クライブ・オーウェン、デンぜル・ワシントン、ジョディ・フォスター、ウィレム・デフォー、クリストファー・プラマー
「わたしの名前はダルトン・ラッセル。2度繰り返さないから注意深く聞け、わたしは銀行を襲う完全犯罪を計画し、実行する...。」冒頭のクライブ・オーウェンの独白ではじまる立てこもり銀行強盗集団と、事件解決に翻弄され、犯行側の計画にまんまとハメられる刑事デンゼル・ワシントン、交渉役として送り込まれながらどちらサイドの味方でもない緊張感をもちこむ高級弁護士ジョディ・フォスターらが繰り広げる頭脳対決。
公開当時かDVDリリース当時か、数年前に見たっきりでしたが、ニクい!ヤラレた!と思わせてくれる痛快なストーリーの妙にまたみたくなってわたしのDVDコレクションに。
黒人社会特有の社会派作品を得意としてきたスパイク・リーが「狼たちの午後」へのオマージュをこめた完全犯罪映画を撮る...意外!と思うのは私だけではないはず。限られた空間と時間を盛り上げるために、贅沢な配役でドラマを盛り上げる。脇を固めるウィレム・デフォーもクリストファー・プラマーも...みんなが一癖あってそれぞれが、ウマい。
大御所の風格さえ感じるおさえた演出はスパイク印が希薄とも第一印象では思いますが、彼の作品特有のカメラワークやシャレた音楽、マイノリティのるつぼマンハッタンならではの人種差別にまつわるちょっとしたジョーク...はさすがスパイク・リーjoint。
冒頭のクライブの登場シーンのせいか、その天才的な無血犯罪のせいか、彼の完全犯罪が成功してほしいとも思わせ、旧友のスパイクのメガホンのせいか生き生きと人間味あふれる刑事役を演じるデンゼルの頭脳プレーにも拍手を送りたくなる。観ているうちに結局どちらか一方に感情移入するなんてもったいないってことに気づきます。人質たちに犯行グループと全く同じつなぎと覆面を着せるあたりから、どうやって脱出するのかは想像がつきますが、ラストに向けての完全犯罪ぶりはまさに喝采もの。
結局は双方がヒーロー(ある意味)としておさまる洒落たラストは、贅沢なクライム・サスペンスを見た。と思わず口元がゆるんでしまう^^
銀行会長役のクリストファー・プラマーが着るフランネル・グレーのダブルのスーツがともてもよく似合っていて目が離せなくなった...。
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