蛍雪ジェダイ
森山真司
ディストリクト ショッププレス
プレス兼ディストリクト
ホームページのコントロールとウィンドウディスプレイ担当。キャリア20年超のジェダイを目指す名物販売員
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「リンカーン弁護士」
2009.07.09
「リンカーン弁護士」 マイクル・コナリー
amazonから届いたお気に入りのミステリー作家のひとり、マイクル・コナリーのちょっと前の新作、読み終わりました。
わたしのコラムでも紹介したばっかりですが...
かれこれ15年以上の付き合いで、新刊が出るたびにシリーズの頭から読み直します。なので、最初の「ナイトホークス」('92刊)文庫はあまりにボロボロになり、新たに買いなおしました。(トム・クランシーの「レッド・オクトーバーを追え」も同様)ちなみにウチのアサコさんもわたしが薦めたらハマってしまった。彼女も今、読んでいるはずです。
彼の看板シリーズでもあるLA(左遷されたり、あちこち署は変わる^^)殺人課刑事 ハリー・ボッシュ・シリーズとは違い全く新しい主人公なのも新鮮。裏書の主人公紹介でミッキー・ハラーの名を見てピンと来るのはかなりコアなファン。
コナリーの作品はノンシリーズでもあっても登場人物たちが活躍する世界は同一の物で、他シリーズの主人公の名前がちょこっと出てきたり、さらには共演したりというファンサービスが特徴。今回の主人公ミッキーの父、J.マイクル・ハラーとボッシュには過去に重要なつながりがあったことがボッシュ・シリーズのファンにはわかっています。
今回の主人公ミッキー・ハラーは初登場なのでそんな前情報は全く不要で楽しめます。
相当の期待を持って読みましたが、充分に応えてくれる力作。今までのボッシュ・シリーズで訴追側、捜査側で悪人を見る視点に慣れているわたしには、今回の法の反対側・悪人の刑を軽減することを生業とする刑事弁護士は悪人・罪人チーム側の存在。そんな刑事弁護士からの視点に戸惑いがあるのではと心配でしたが、彼らの論理とその倫理観、高級車のバックシートを事務所に常連の小悪人達の弁護を手際よくこなしながら日銭を稼ぐ弁護士業の裏側を見事に紹介してくれて変な反感はでない。
そしてまたしっかり謎解きと法廷劇のサスペンスを盛り上げてくれる!
作品を重ねるごとにストーリーテリングの腕を上げていると思います。
下巻に入った途端、本を閉じることができないくらい、おもしろく集中してしまいました。次回作も予定され、ボッシュとの共演もあるそう...。さらにマシュー・マコノヒー主演で映画化も決定。今から楽しみです。マシューといえば「サハラ」とかセクシー男優とか取り上げられがちですが、そんな近年よりも「アミスタッド」や「評決のとき」などの正義感ある弁護士役で初期のキャリアをきずいてきた事を思い出せば、今回の社会の闇に慣れてしまったベテラン二流弁護士役をどうこなすのか期待しちゃいます☆
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