蛍雪ジェダイ
森山真司
ディストリクト ショッププレス
プレス兼ディストリクト
ホームページのコントロールとウィンドウディスプレイ担当。キャリア20年超のジェダイを目指す名物販売員
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『Wrestler』
2010.02.10

監督:ダーレン・アロノフスキー
主演:ミッキー・ローク、マリサ・トメイ
劇場には行けませんでしたが、カンヌで金獅子賞をとったミッキー・ロークのカムバック(...とはいってもこれまでも『ドミノ』とか『シンシティ』などで元気な姿は見せてくれていたのですが)
右近さんも絶賛でしたが、枯れていく闘う男の哀愁というには生易しすぎる痛々しさが素晴らしい。昨年の今頃アップされたNewsweekサイトでのOscar Roundtable2009(アカデミーのノミネート俳優の豪華対談)でも一時期を築いた彼の話は場をさらっていました。
キャリアを見返すと毎年着実に公開作品をこなす彼ですが、『ランブルフィッシュ』、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』、『ナインハーフ』などの美形時代を知っているだけに老いて醜くなった彼を見るのはちょっとつらい。そこにこんな作品だからなおさら現実の彼とダブります。
「俺にはリングより現実の世界のほうが痛い・俺のいる場所はここにしかないんだ」不器用なままいろんなものをうしなって老いていくしかない悲しい男の姿は笑ってはいけないかっこわるさと情けなさと諦念がいっぱいでした。マリサ・トメイの疲れた昼の表情となまめかしい夜の姿のギャップが老いてもレスリングを続けるしかないミッキー・ロークの境遇とリンクしていますね。
冒頭からずっとミッキー・ロークの背中を追う手持ちのカメラワークが印象的でしたがやっぱりラストの彼の選択を暗示していたんだと感じました。
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