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蛍雪ジェダイ

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THERE IS STILL TIME...BROTHER

2010.11.30

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jedi_on_the_beach.jpg『渚にて』On The Beach(1959)
監督:スタインリー・クレイマー
原作:ネヴィル・シュート
出演:グレゴリー・ペックエヴァ・ガードナーフレッド・アステアアンソニー・パーキンス

ホロコースト後の終末を描いた作品は多数ありますが、戦争を一切描かずに、すこしずつ放射能にむしばまれていく緩やかな破滅を日常を淡々と描いて見せる点で、かなり異色の本作。

核戦争で北半球全域が死に絶えた世界。アメリカの原子力潜水艦スコーピオン号はまだ放射能の被害を免れているオーストラリア、メルボルン港に立ち寄る。死に絶えたはずの母国シアトルから解析不能のモールス信号が絶え間なく聞こえ、艦長タワーズは調査に向かうが...。

どんなに悲惨な状況でも紳士の振る舞いを崩さないグレゴリー・ペック。酒におぼれるエヴァ・ガードナー、赤ちゃんと妻の安楽死を願うアンソニー・パーキンス、軽やかなステップを一切見せないシリアスなフレッド・アステア...。

はじめは世界の半分以上が死に絶えた世界なのにおおらかに今までの生活を送る登場人物の行動になじめませんでしたが、その裏側にある切実とした死の恐怖もまたチラホラと垣間見える。ラストがそんな呑気な彼らの行動との対比でより残酷に迫るという仕掛け。

放射能汚染による死の描写とか今観ると、ちょっと違うかも...と思う点もありますが、その世界の終末の描き方は当時かなりショッキングだったのではないかと想像できます。『2012』よりもよっぽど胸に迫るものがあります。

名作といわれながら実は今まで見たことなかったのですが、お気に入りのトム・クランシーの作品(たしか「恐怖の総和」の中で雪で足止めをくったワシントンにベン・グドリーと泊まり込みになった時じゃなかったかな?)で劇中ジャック・ライアンが核兵器の悪夢を見るシーンでこの「渚にて」の中に入り込んでしまう...そんな描写がとっても印象に残っています。

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