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オノ セイゲン空間デザイナー/ミュージシャン録音エンジニアとして、82年の「坂本龍一/戦場のメリークリスマス」にはじまり、多数のアー ティストのプロジェクトに参加。87年に川久保玲から「洋服が奇麗に見えるような音楽を」という依頼により作曲、制作した『COMME des GARCONS / SEIGEN ONO』ほか多数のアルバムを発表。Photo by Lieko Shiga

RECORDING, SOUNDS and ENVIRONMENT

オノ セイゲン
空間デザイナー/ミュージシャン

録音エンジニアとして、82年の「坂本龍一/戦場のメリークリスマス」にはじまり、多数のアー ティストのプロジェクトに参加。87年に川久保玲から「洋服が奇麗に見えるような音楽を」という依頼により作曲、制作した『COMME des GARCONS / SEIGEN ONO』ほか多数のアルバムを発表。

Photo by Lieko Shiga

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人間の聴覚限界にせまる1ビットDSD (前半)

2011.01.25

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これは日本が世界に誇れる世界最先端の、聴覚限界にせまるレコーディングフォーマットである。
デジタルなのに限りなくアナログに近い。と言っても「そもそもデジタルって何よ?」という方のために、デジタルとアナログの概念を説明しよう。

 アナログ時計は針が指し示す(連続的な任意の)位置で「午後3時半ちょっと前、29分30秒くらいかな」となる。デジタルならぴったり「15:29:33」と読める。「くらい」はない。

 料理で「塩、こしょうを少々」と言うべきか、1グラムを計るのか、どちらが正しい?
食材自体の重さ、水分量によって、加えるべきひとつまみの量は変わる。料理はアナログである。料理を離れて、仮に純粋な塩化ナトリウム(NaCl)が100%であれば、重さ=ここでもアナログ計量メモリの限界/デジタル計量メモリの単位。メモリの単位となったところでデジタルである。さらにミクロの精度で例えれば塩の分子の数。ここまでくるとアナログ=デジタルになる。
「この焼き魚、もうちょっとだけ塩もらおか?」「へいお待ち、NaClで3兆個かけまっせー」「おお、ぴったりやな、ちょうどええわ」

 みなさんが聞いているCD(最近は誰もCDショップ行かなくなってしまったが)、あるいは携帯電話の会話、音楽。これらはデジタル伝送されている。それに対して、コンサートホールでもジャズクラブで目の前のミュージシャンの生演奏でも、音が直接伝わってきますから究極のアナログ。音という空気の粗密波(アナログ)をマイクなどで拾い、A/Dコンバーター(Analog to Digital converter)でデジタル変換されたところからがデジタル。

 ちょっと工学系の話になるが、ここからが大切。(つづきは後半で)

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