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NEXT STAGE of WISM WISMの次の一手に 迫る対談シリーズ。 VOL.2 HBNS×WISM 水戸部昭夫×堀家龍

2013.08.28

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つねに刺激的でエネルギッシュな動きを見せる、キャットストリートの暴れん坊こと「WISM」。業界内からも熱い期待を注がれている最注目ショップなわけですが、2013AWシーズンから新たに取り扱うことになった、二つのブランドにフイナムは注目しました。〈ノンネイティブ(nonnative)〉に〈ハバノス(HBNS)〉。両ブランドのデザイナーを「WISM」側が迎え撃つという、それぞれフイナムでしか読めないような、普段着丸裸系対談。ぜひ最後まで読んでみてください。

Photo_Shota Matsumoto(people)、Masaki Sato(item)
Edit_Ryo Komuta

「WISMのお客さんは絶対ハマります(堀家)」

-そもそもお二人のお付き合いは古いんですか?

WISM店長 堀家龍氏(以下堀家/敬称略): 会ったのは5~6年前ですかね。もう今はないんですけど、表参道に「レディオ」っていうセレクトショップがあって、そこで僕が外注としてバイイングをしてまして。その「レディオ」にいた方が水戸部さんの友人で「ちょっと良いブランドがあるから見に行ってくれ」っていうのが最初ですね、多分。今よりもサーフ色が強かったですね。

-僕も〈ハバノス〉にはそういうイメージを持ってました。

堀家: だから、正直そこで見た時はあんまりピンと来なかったんですよね(笑)。そもそもお互いの第一印象は最悪でしたし(笑)。

-(笑)。

堀家: なんか、つんけんしてたよね。

HBNS デザイナー水戸部昭夫氏(以下水戸部/敬称略): お前もだよ、お前も(笑)。

堀家: なんででしょうね。。まぁ、まだ探ってる感じだったというか。で、水戸部さんが結局その会社のオリジナルを作るとかで、常駐するようになって。当時から服を作る確かな技術はあったので。それ以降から仲良くなっていった感じですね。

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-ブランドは、いつから始められたんでしたっけ?

水戸部: だいたい7年くらい前ですね。

-ということは、自分のブランドもやりつつ、他のデザインもしつつ、みたいな状況ではあったんですね。

水戸部: 〈ハバノス〉に関しては、初めは本当に好きなことだけやってましたね。本当に手探りな感じでしたし。それで、何年かやっていくうちに色々な縁があって、たくさんの方と知り合って、少しづつ変わってきましたね。

-どんな風に変わってきたんですか?

水戸部: 最初は自分の作った物を見せつけるっていうか、「これいいでしょ!?」みたいなやり方だったんですけど、今はそういうことも大事にしつつ、やっぱり買ってくださるお店があって、その先にお客様がいて。。そんな風に先のことまで考えて、組み立てていくことによって初めて成り立つんだなっていうのが、最近になってようやくわかってきたかなと。まぁ、遅いんですけどね。

堀家: 確かに最初は好き放題やってたもんね。で、その後は僕が前職のプレスの会社にいるときにまた出会って、PRをするようになって。

水戸部: とにかく、PRとかそういう外への伝達方法が全くわからなかったんですよね。なので、色々彼に教えてもらって。

堀家: 毎週毎週、胸ぐら掴み合うぐらいのミーティングをしょっちゅうやってましたね。あーでもない、こーでもない、もうちょっと分析をしよう、掘り下げよう、みたいな。。

水戸部: もうちょっと優しく言ってくれればいいんですけどね(笑)。人って年を重ねれば重ねる程、他人の意見ってなかなか聞きにくくなってくるんですよ。

-確かに(笑)。

水戸部: だから、最初はやっぱり戸惑いましたけど、言ってることは間違ってないなって。

堀家: 自分の見えてるところは全部伝えてやろうって思ってましたね。水戸部さんが良いと思って出してきたものを、とにかく色々なところに伝えていく努力をしようと。で、そこの反応はどうだったのかっていうフィードバックは必ずして。

水戸部: 夜中に来るメールとかも、もっと優しい言い方って、あると思うんですよねーっていう(笑)。ただ、今になって思えば、色々わかるなっていうことが多いですね。

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-そんなやりとりがあって、このタイミングで取引を始めるようになったのは、どんな流れからだったんですか?

堀家: 「WISM」と水戸部さんの事務所が結構近くなんで、ちょこちょこその辺でよく話してたりしてたんですよね。で、ウチの市之瀬から「彼、誰? へー、ちょっと展示会行ってみたいかも」みたいな感じで声かけられて。

-それは2013AWの展示会ですか?

堀家: いや、2013SSです。で、久しぶりにちゃんと見たときに、ここはあんまり変わってないなっていう部分と、このへんは変わったなとか、進化したなみたいなところが見えて面白いなと。なんて思ってたら、市之瀬から「これやりたい」って言われて、えっ! マジ!?っていう。そのときは仕入れるとかそういう目線で全く見てなかったので。

水戸部: 確かに最初の展示会は、現状報告的なノリが強かったですね、PRの部分で色々やってもらってた時から、お互い別々になったので、今はこういうもの作ってるんですよ的な。

-そーなんですね。

水戸部: なんとか生きてます、みたいな。拝啓 お元気ですか?みたいな感じでしたね。

堀家: そう、本当にそんな感じだったのに、急に「やりたい」っていう声が上がって。ただ、自分はすごく近くで見てきたし、もしそれがそうなるんだったら、結構幸せなことかな、って。ただSSのときは色々タイミングが合わなくて、結局やらなかったんですけどね。

-なるほど。

堀家: で、今回のAWの時も展示会の案内くれて。おっ、ということはウチでやれるのかな?って思ったりして。でも、水戸部さんは「とりあえず見てから決めてください」なんて言ったりしてさー。

水戸部: いや、そらそうでしょ! 僕としては一店舗でも多く広げたいけど、まず服見なきゃわからないでしょっていうね。

HBNS 2013 AUTUMN WINTER LOOK
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堀家: でも、やるならちゃんとやりたいっていう思いはあったんで、今回はあらかじめ会社の上の方にも話をしてから、市之瀬と展示会に行ったんですよね。それで、会場に行ってみると、ルックの写真が壁にバーンって飾ってあったんですよ。俺たち二人でやってる時は、朝7時とかに、駒沢公園で俺の幼なじみのフォトグラファーを呼んで、水戸部さんの知り合いのちょっとルックスいい子呼んで撮影してた感じなのに、こんなにちゃんとしたものになってるっていうので、、

-グッときたわけですね。

堀家: そうなんです。これまでとは全く違うものになってるし、水戸部さんのやりたい方向とか、服に体する情熱とか温もりみたいのがすごく感じられて、感動しちゃって。ルックをよく見ると、自分たちがキツかった時から、ずっと作ってきたブルゾンがあって、当時は全然泣かず飛ばずだったのが「今回すごく反応がいい」っていう話を聞くと、一見普通にしてるんですけど、あー泣きそう、みたいになっちゃって。。

-当時からの思いがありますもんね。

堀家: 昔は片っ端から全国のセレクトショップに電話かけたりして。でも、誰も見に来てくれない、みたいなね。

水戸部: あったねぇ。。(笑)

堀家: 最近は「WISM」のお客さんの顔っていうのが、だいぶ見えてきてるんで、〈ハバノス〉はウチの店にハマるっていうのが明確に見えたんですよね。だから、どーしてもやりたいと。水戸部さんは僕には言わないですけど、各方面を色々調整してくれたと思うんですよね。で、晴れて今回取り扱いできることになったんで、なんとなく始めるんじゃなくて、色んな人を絡めて、巻き込んで、大きな流れにしていきたいなと思ってるんです。やっぱり、世間に響かなきゃ意味がないなって思うんで。

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