NEXUSVII.の実験施設。 V.E.L、本格始動。
2014.03.25

〈ネクサスセブン(NEXUSVII.)〉の都内初となる直営店舗「V.E.L(ヴイ.イー.エル)」が、先月オープン。フイナムブロガーとしても屈指の人気を誇るデザイナー今野智弘氏が作り上げた、ブランドの拠点とは。Q&A方式でショップの核心に迫る。
Photo_Hiroyo Kai[stuh]
Edit_Ryo Komuta
Q.店名の由来は?
「『V.E.L』は『VLACK . EXPERIMENTAL . LABORATORY』の略です。『VLACK』とはVERY BLACK=『VLACK(ブラック)』。地方のショップへ、自分達ブランドサイドの意向を反映していけるように、『自分達の影分身以上に深く、濃い存在になってもらいたい』という希望から、"DEEPER THAN SHADOW"というコンセプトで命名しました」
Q.お店のコンセプトは?
「コンセプトを決めるために様々な店舗に足を運び自分なりに悩み抜き、結果、自分達のつくる有機質なプロダクトやアンティーク、ヴィンテージを有機質な空間に溶け込ませるのではなく、より際立たせるためにあえて相反する無機質な空間である実験室『LABORATORY』をコンセプトに選び、そこから構築していきました」
Q.千駄ヶ谷という場所については?
「原宿や渋谷のように密度が多い場所ではなく、もう少し引きで捉えられて、マイペースでできるところがいいなと考えていました。色々な場所が候補に挙がったのですが、結局とてもよい場所になったと思っています。隣には「ランドスケープ プロダクツ(Landscape Products)」さんのお店がありますし、裏には〈ループウィラー(LOOPWHEELER)〉もあったり。諸先輩方がたくさんいらして、とても素敵なところだと思います」
Q.内装でこだわった部分は?
「内装にも流行り廃りがあるので、そういったものにブレないようなものにしたかったんです。そうした空間とはどんなものだろうと考えたとき、"EXPERIMENTAL"、実験室というのがしっくりきました。昔の軍の実験室の写真を見て、インスピレーションをもらいながら、アレンジしていきました。"年代不詳の軍の実験施設"というコンセプトにたどり着いてからも、すごく時間がかかりました。何気ない照明一つにしても、美術館で作品を照らすときに使うようなLEDライトなのですが、太陽光に近い光が出せるというもので少し特殊なものなんです。あとは白壁に関しても何パターンも作ってもらいました。「95 半ツヤ」などという数値で表現するのですが、ツヤが多すぎると照り返しのせいで安っぽく見えてしまうんです。少しクラシックな雰囲気にしたかったので、微妙なバランスで細かく調合してもらいました」
Q.取り扱いブランドは?
「〈ネクサスセブン〉、〈イソップ(Aesop)〉、〈コンバース アディクト(Converse Addict)〉です」
Q.〈イソップ〉、〈コンバース アディクト〉を取り扱う理由は?
「〈イソップ〉は、ユニセックスで使えるもので、ギフトとして贈れるようなものをなにか置きたいなと考えていたんです。自分がもらってうれしいものとなると、消耗品で、かつ並べて置いてもいいデザインのものということで、〈イソップ〉を選びました。内装のデッサンから提出して、あとは水洗の場所を作り、プレゼンして取引に至りました。〈コンバース アディクト〉に関しては、ウチのフランチャイズ店からお取り扱いさせていただいていたので、自然な流れではありました。それに、個人的にこれ以上の〈コンバース〉はないと思っているので。靴屋さんでの取り扱いがないというのも魅力ですし、大人にも若い方にも安心して薦められるものだと思います」