FEATURE
柴田聡子と君島大空が、フェスで吸収する養分。
in FUJI & SUN 2025

柴田聡子と君島大空が、フェスで吸収する養分。

大自然の中で行われる音楽フェス。オーディエンスにとっては、いつもと違う音楽体験ができる特別な空間であり、都市の喧騒を離れて心を癒す場所でもあります。では、ステージに立つアーティストたちはどうか。彼らにとってフェスとは、単なる演奏の場を超えた何かがあるのではないか。先日、静岡県・富士市で行われた「FUJI & SUN '25」に出演した柴田聡子さんと君島大空さんをつかまえて、アーティストだけが知り得る、フェスでしか吸収できない養分について聞きました。

北海道で見た強烈なファンダム。

― フェスの思い出とかありますか?

柴田: 札幌出身なので北海道のフェスに行ったことぐらいしかないのですが、吉川晃司さん、矢沢永吉さん、井上陽水さんを生で観たときは、まじでビックリしました。ふだんなかなか観る機会がない大御所ミュージシャンの3人のステージは強く心に残っています。

正直、それまであまり聴いたことはなかったのですが、「なんか凄そうだから観に行こうよ」って友達みんなで行ってみたら、全員撃ち抜かれるっていう。格好良すぎ!みたいな。

― 確かにその御三方のライブは凄そうです。

柴田: 確か永ちゃんのステージだったと思うんですけど、ファンのみなさんも気合が入ってて。砂埃とかすごいのに、男性は白いスーツでキメて、女性は素敵なスカートを穿いていて。素直にかっこいいなって思いました。こういうファンダムがあるんだなって。

―それでいうと柴田さんもしっかりとファンダムを築いているように思いますが。ファンを見ると、柴田さんと同じように眼鏡をかけていたり、髪型も似ていたり。雰囲気で、どことなく柴田さんのファンってわかります。

柴田: そうだと嬉しいのですが。今日のライブでも去年出したグッズを着ている方を見かけたりして、嬉しかったりします。

―では最後に直近の活動などあればお聞かせください。

柴田: まず夏にツアーがあるのでお待ちしています! それと『PASSING』という曲の7インチが7月に出ます。7インチのリリースは久々なのですが、これが本当に出来がよくて。はじめて聴いたとき、その出来の良さに無茶苦茶テンション上がっちゃって、思わずスタッフの方に「良かったです!」とLINEしちゃうくらい。これはぜひ、手に入れていただきたい逸品です。って自分で言うのヤバいですよね……(笑)。

PROFILE

柴田聡子

1986年生まれ、北海道札幌市出身のシンガーソングライター。2010年より都内を中心にミュージシャン活動をスタート。そのほか詩集やエッセイ集を刊行するなど、詩人、文筆家としての顔も持つ。メガネがトレードマークで、素敵眼鏡MICHIOと不定期でオリジナルフレームをリリースしている。7月から「柴田聡子 Tour 2025 夏」で全国をまわる予定。
Instagram:@batayanworld

Interview 02
Ohzora Kimishima
雨男と曇天のハーモニー。

―あいにくの天気でしたが、最高のライブでした。お疲れさまでした!

君島: ほんとギリギリでしたね。ぼく、すごい雨男なんです。過去には台風とともに北上して苗場に入ったり、そんなのばっかりで。今日もやばいかもと思ったら、ギリ雨が降らなくてよかったです。

―「FUJI & SUN」の出演は、今回で3回目ですよね。

君島: そうです。1回目がメインステージで、お昼頃の出番だったと思います。去年はサブステージで、ヘッドライナーが終わったあとに演奏してました。「おい、みんな帰れないだろう。イエー!」みたいな感じで。

―それはそれで、楽しそうですね(笑)。本日のステージでもおっしゃっていましたが、夕方の演奏がお好きなんですか?

君島: 夕方にやりたいなって常に思っていて。グラデーションが出てくる時間帯が好きなので、外でやるなら夕方がいいです。

―16時という時間帯と曇天は、君島さんらしくて素敵でした。

君島: ピカーっと晴れられても、こっちもどうしていいかわからないですからね。それと霧が立ち込めてるのも良かったです。水分が豊富に身の回りにある感じがして喉も潤いまくり。お風呂で歌ってるみたいで。今日はもう、めちゃくちゃばっちりでした。

―大空という名前にして、快晴はお好きではないと。

君島: そうなんですよ(笑)。