XTシリーズのルーツとは? “中の人”に聞いてみた。

フイナム:ところで、〈サロモン〉には「XT-4」「XT-6」「XT-WHISPER」などさまざまなモデルがありますが、それぞれのモデルの違いや誕生した背景って、意外と知られていない気がします。

小島:同感です。そこで今回はスペシャルゲストをお招きしました。〈サロモン〉のティボー・メルシエさんです。


ティボー:こんにちは。ティボーです。〈サロモン スポーツスタイル〉のマネージャーを務めています。
PROFILE

サロモン スポーツスタイル マネージャー。ブランド創業の地であり、現在も本社が置かれているフランス・アヌシー出身。アヌシーの本社での勤務を経て来日。スキーやトレイルランニングをこよなく愛するアクティブ派。

小島:さっそくですが、XTシリーズはどういった経緯で生まれたのでしょうか?

ティボー:もともと〈サロモン〉はスキーブランドでしたが、1990年代にアウトドア分野へと進出。スキーブーツの技術を応用し、ハイキングシューズを開発したのがフットウェアの原点です。

小島:それがスタートだったと。

ティボー:2000年代に入ると、軽さと瞬発力を武器に、トレイルランナーやアドベンチャーレーサーの支持を集めるようになりました。

小島:ほう。そうなんですね。

ティボー:こちらのシューズをご覧ください。XTシリーズのルーツをたどるうえで欠かせない歴代のアーカイブです。

歴代の「XT-WINGS」シリーズ。上から、
「S-LAB XT-WINGS 1」(2008年発売)
「S-LAB XT-WINGS 3」(2010年発売)
「S-LAB XT-WINGS 4」(2011年発売)
「S-LAB XT-WINGS 5」(2012年発売)

小島:これらはどういったシューズですか?

ティボー:「XT-WINGS」というトレイルランニングシューズ。よりスピードを求めるトレイルランナーの声に応えるために開発したレース向けモデルで、安定性、クッション性、瞬発性を高めた3層構造のソールが特徴です。2008年に初代モデルが誕生し、代を重ねるごとに進化を遂げていきました。これがXTシリーズのルーツです。

小島:なるほど。つまり、いま人気の「XT-4」や「XT-6」も、そのルーツは「XT-WINGS」にあると。

ティボー:そのとおり。歴代の「XT-WINGS」を現代のライフスタイル向けのスニーカーにアップデートしたのが、現行のXTシリーズです。たとえば、「XT-4 OG」は、2011年の「S-LAB XT-WINGS 4」がベースになっています。


小島:勉強になります。ファッションで注目されがちですが、こうした背景を知ると〈サロモン〉の奥深さが伝わってきますね。
――ところで、「アトモス」はこれまで〈サロモン〉と何度かコラボしていますよね。

小島:2023年に初めてコラボし、2024年には2モデルをリリース。いずれも大きな反響がありました。

「アトモス」との歴代コラボモデル。
上「XT-6 FOR ATMOS」(2023年4月発売)
中央「ACS + CSWP ATMOS」(2023年10月発売)
下「XT-6 GTX ATMOS “Concrete Jungle”」(2024年12月発売)

ティボー:「アトモス」は日本のスニーカーカルチャーに欠かせない存在。今後も良い関係を築いていけたらと思っています。

小島:こちらこそ。〈サロモン〉の魅力は「XT-6」だけではありません。多彩なモデルが揃っているので、もっと多くの人に知ってもらえたらうれしいですね。