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タイの新しい音楽はここから生まれる。「Marshall Livehouse」の全貌をレポートします。
Thai music never stops!

タイの新しい音楽はここから生まれる。
「Marshall Livehouse」の全貌をレポートします。

1962年、イギリスはロンドンで産声をあげたオーディオブランド〈マーシャル(Marshall)〉。これまで音楽史に名を刻む数々の伝説的なライブを陰で支えてきました。ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、スラッシュなどのレジェンドからの信頼も厚く、これほどロックンロールのスピリットを持ち合わせているブランドは他に類を見ません。
そんな彼らの次なる挑戦の舞台は、東南アジアに位置するタイ・バンコク。そしてつくったのがライブハウス。どのような目論見があるのか、タイの音楽事情とは、さまざまな疑問を携えて、編集部はオープン記念のレセプションへ。ディレクターのPan氏にもお話を伺いました。

熱気あふれる演奏を目の前で。

この施設のメインスペースである1階には、ステージとバーカウンターが。常設のステージは〈マーシャル〉の音響機材やステージ機材を充実したラインナップで完備していて、さらにパフォーマンス内容によってそれらを自由にカスタムすることができます。だから、どんなアーティストもここのステージであれば最高のパフォーマンスができるというわけ。100人が収容できるほどのコンパクトさだから、熱気も間近で感じることができます。

ステージの脇にはバーがあり、飲み物やちょっとしたおつまみを楽しみながら、音楽に酔いしれることも。

各国のメディア陣を最初に出迎えたのは、バンコク生まれバンコク育ちのヒップホップアーティスト「レジズ(Réjizz)」。ジャジーでグルーヴィーなサウンドが特徴で、タイ語と英語を交えた歌詞でストーリーを紡ぎ、独特のユーモアを取り入れたスタイルが魅力です。この日もその無二の空気感で観客を圧倒していました。

次にでてきたのは「ザ・モロトヴス(The Molotovs)」。イギリス出身のMathew CartlidgeとIssey Cartlidgeによる姉弟デュオで、本国で最も勢いのある若手バンドと言っても過言ではありません。エネルギッシュなパフォーマンスは噂通りで、会場のグルーヴを我がものにする姿はかっこよかった。「ザ・リバティーンズ」「セックス・ピストルズ」などのレジェンドからもラブコールを受ける理由も納得です。

施設は吹き抜けになっていて、2階からライブ演奏を楽しむことも。〈マーシャル〉の優れた音響機材のおかげで、音がこもることなくクリアなサウンドが2階にも届きます。

会場には、アンプを模したブランドのマスコットキャラクターの姿も。音楽にノリながら小刻みに動く手足はなんとも可愛らしい。

熱気冷めやらぬステージに現れたのは、日本から「グリコ(Gliiico)」。カナダはバンクーバー出身のKio、Kai、Nicoによる三兄弟のバンドで、ヴァイナル時代の音楽と現代ならではの美学を融合させたサウンドが人気です。圧巻のビジュアルとそのジャンルレスな音楽は、異国の観客たちをも虜にしました。

ライブ演奏をさらに盛り上げていたのは「オカモトレイジ」と「Maftsai」のDJ。〈マーシャル〉のスピーカーはロックを得意としていながら、さまざまなジャンルの音楽をも受け入れてくれます。

以上のアーティストたちのアクトを聴いていてやはり感じるのは〈マーシャル〉らしい音像。ロックなドライブサウンドと相性がいいのはもちろんで、高音域の鋭さや独特の歪みを楽しむことができるんです。そして〈マーシャル〉」がつくったステージだからこそ、それを体感できるというのがなんとも贅沢な空間です。

INFORMATION

Marshall Livehouse

住所:186 Charoen Krung 36 Alley Charoen Krung Road Khwaeng, Khet, Bang Rak, Bangkok 10500 Thailand
営業時間:AM10:00〜PM10:00
定休日:Tuesday, Wednesdai
公式Instagram:@marshalllivehouse

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