広がる音楽体験。
冒頭でも書いた通り、この施設はライブをする普通の箱ではありません。むしろそれ以外のスペースが施設を構成する大事な要素で、バンコク市内の他のライブハウスにはない特徴です。

ライブの思い出をスマホで写真におさめるのもいいですが、せっかくならプリクラで。1階の奥に設置されたプリクラ機では、撮った写真が特製のフレームで出力されます。友達とパートナーと、思い出の瞬間を残すことができます。

2階にはレコードを試聴できるスペースも。ショップさながら、棚にはレコードがびっしりと並んでいて、懐かしのレジェンドから新鋭ミュージシャンまで幅広くラインナップされています。(山下達郎や大滝詠一の名前も!)
賑わうフロアでも〈マーシャル〉の高性能なヘッドフォンがあれば大丈夫。気になった音楽を心置きなくディグることができます。ライブの前後に立ち寄って、新たなアーティストを見つけるとしましょう。

同じく2階にあるのは、〈マーシャル〉グッズを販売するスペース。マーシャルロゴが映えるオリジナルTシャツや、オーディオ製品が並びます。ライブの熱そのままに、お土産をここで買うのもいいのかもしれません。

3階、4階にはリハーサルルームが2部屋あります。午前10時から午後10時まで、予約制で使用することが可能。タイのアーティストのために開かれた場所になっていて、1時間約350〜550タイバーツ(日本円で¥1,630〜2,560円)で、良質な音響環境のもと練習に打ち込むことができます。フルバンド対応の大型ルーム(フルバックライン完備)と、デジタル音楽制作向けの小型ルーム(バックライン完備)があり、用途によって使い分けもできるうえ、小規模なワークショップやリハーサルにも向きます。
ちなみにこの日は、バンコクを中心に活動する若手バンド「YEP MAY YEP」がリハーサルで入室。自宅でラフに演奏するのもそれはそれで乙ですが、やはり大きな舞台を見据えるなら、整った環境で演奏するのが最適です。夢を追うひとたちにとってお財布事情は無視できませんが、手頃な価格でこれだけのサービスがあればありがたいものです。

ふらっとリハーサルルームに来たオカモトレイジさんがドラムを叩く場面も。


4階は、モジュール式のオープン空間になっていて、イベントやワークショップなどさまざまな催しで使用することができます。
この日はシンガポール出身のアーティスト「マーク・サボタージュ(Mark SBTG)」指揮のもと、来場者に配られたヘッドフォン「MAJOR Ⅴ」のカスタムワークショップが行われました。好みのマークを選び、レザー製のヘッドバンドに特殊な絵具で型をとっていくというもので、自分だけの1台にすることができます。ひと手間加えたヘッドフォンを付ければ、いつもの音楽体験もより一層特別なものになりそうです。