GOO CHOKI PARに聞く、デザインの意図。
「ニューバランスRun Hub 代々木公園」では、ランニングイベント「Art of Running」とあわせて「GOO CHOKI PAR」のアート展も開催。ランニングアパレルコレクションに採用している「Running Shapes」が展示され、今回のイベントのために制作した新作も並んでいます。ローンチイベントに参加した「GOO CHOKI PAR」の3人に話を伺い、制作秘話や〈ニューバランス〉が大切にするクラフトマンシップについて感じることなどを語ってもらいました。

PROFILE
左から、浅葉 球さん、飯高健人さん、石井 伶さん
2015年に結成したデザイン &
アートユニット。言語や思想を超えたビジュアルコミュニケーションを軸にさまざまな領域で活動する。近年を代表する作品に、2023年に放送された大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合テレビ)のタイトルロゴデザインやメインビジュアル、「東京2020パラリンピック競技大会」のアイコニックポスターなどを制作。
さまざまなランナーの思いを10体で表現。

―今年2月に開催されたアート展「New Balance CRAFTS & DESIGN GALLERY」で展示した「Running Shapes」がランニングアパレルコレクションになってリリースされました。作品の制作はいかがでしたか?
飯高: 〈ニューバランス〉からアート展をやりたいとお話しをいただきましたが、こういうものを作ってほしいという具体的なオーダーはありませんでした。もともと運動をテーマにした作品は「東京2020パラリンピック競技大会」のポスターで制作していたんですよ。そのとき、ひとが運動している造形を抽象化していくと、ひとの内面にある感情やアクティブな筋肉の躍動を感じられて、制作の過程がすごく楽しかった。それを今回はランニングだけに絞り、さらに新しい表現でこの作品を作りました。
―10体のランナーの姿はどれも個性的ですね。
飯高: ランナーにも多様なスタイルがあって、走る目的もひとそれぞれ。楽しく走るひとがいれば、トレーニングとしてストイックに走っているひともいる。そんなさまざまな思いを10体で表現できたかなと思っています。

―ランナーを抽象化する際、最も気にしたのはどんなことですか?
石井: 楽しくのびのびと走っているひとから、ちょっと辛そうだけど前を向いて走っているひとまで、全部違って見えるように意識しました。
飯高: 動きや時間軸を感じられるような、作品としては静止しているけど、そこから動き出しそうなエネルギーを込めたいと思いながら制作しました。
浅葉: ぼくは普段から走っているんですけど、制作中はほかのランナーのシルエットや筋肉の動きを走りながら目で追っちゃっていて。やっぱり、ひとによって走り方は全然違う。それがおもしろくて、抽象化したときにこういうふうに見えるんだろうなって考えていました。

飯高: あと、特にこだわったのは足元。スニーカーにはいろんな力が加わっているので、そこに魅力を出そうとすべて違う形にしています。
浅葉: そうですね。足元にちょっとしたエレメントを加えて、細部にまでこだわったよね。
飯高: 〈ニューバランス〉のNとか文字が隠れていたりするので、探してみるとおもしろいと思います。
石井: 10体を並べたときの見え方も気にしながら微調整していて。だから、10体を1着に落とし込んだデザインを作っていただいたのは嬉しかったです。
飯高: アート展のために制作したから、アパレルになることは想定していなかったもんね。ランニングウエアとしてオリジナリティ溢れるものになったと思います。今日のイベントで、これを着て走っている姿を見られるのは楽しみだし、着てくれたひとが楽しい気持ちになってもらえたら最高です。

―〈ニューバランス〉のなかで、アートでアプローチしたランニングウエアのコレクションは初めてです。
飯高: すごく嬉しいです。ランニングウエアは特殊な素材じゃないですか。それなのにプリントのクオリティが高くて、仕上がりにびっくりしました。
石井: 細かいところまできれいにプリントされているよね。