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映画『見はらし世代』黒崎煌代 × 遠藤憲一 インタビュー。家族という“小さな社会”で渦巻く人間模様。
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映画『見はらし世代』黒崎煌代 × 遠藤憲一 インタビュー。
家族という“小さな社会”で渦巻く人間模様。

「第78回カンヌ国際映画祭」の監督週間に、日本人最年少の26歳の若さで選出された団塚唯我監督のオリジナル脚本による初長編作品『見はらし世代』。家族問題という普遍的なテーマを重苦しさもあれど軽やかに描き、それぞれの人生観、家族観を問い直してくれる作品です。今作で難しい関係性を抱える親子を演じた黒崎煌代さんと遠藤憲一さんに作品や監督について、そして自身の人との向き合い方について話を聞きました。

  • Photo_Tatsuki Nakata
  • Stylist_Takumi Noshiro(TRON)(黒崎煌代)、Koosoo Nakamoto(遠藤憲一)
  • Hair & Make-up_Tomoe(artifata)(黒崎煌代)、Aya Hirokawa(遠藤憲一)
  • Text_Akiko Maeda
  • Edit_Naoya Tsuneshige

役者として、ひとりの人間として。
相手と向き合うためのふたりのスタンスとは。

―次は俳優としてではなく、日常生活でのおふたりについてお聞きしたいのですが、普段の生活での人間関係で意識していることはありますか?

黒崎: ぼくは全然人見知りとかじゃないんですけど、向こうが人見知りの可能性を考えて、あんまりがっつかないように心掛けつつも、仲良くなりたい雰囲気は出す、みたいな。

遠藤: ぼくはもともとあまり人間関係がうまい方じゃないんで。ただ、この顔で黙ってたら恐いじゃん(笑)。だから自分から声をかけるように心がけてしっかりと挨拶する。

黒崎: ヤクザモノの遠藤さんもいるし、人面犬になっている遠藤さんもいるから、本当の遠藤憲一さんはどっちなんだろう? って共演する前にドキドキしてたんですけど、ちゃんと“人面犬の方”でホッとしました(笑)。それがもう面白くて。

―今回の作品のように家族とすれ違ってしまったときにその状況を打破する自分なりのテクニックはありますか?

黒崎: ぼくはよく母と喧嘩をするんですけど、できるだけ早く仲直りしたいし、これ以上すれ違いが広がらないようになるべく早く自分から謝りに行きます。

―家族の問題を積極的に解決しようと努める蓮の役柄とも共通していますね。

黒崎: それはそうかもしれないですね。逆に遠藤さんが演じる初は大きく歩み寄ることはなかったですよね。家族仲良く暮らしていた頃と10年経って子どもたちと再会したときも家族に対してのスタンスが変わらないというか。

遠藤: そうなんだよ。人はそう簡単には変わらない。そういう人間の難しさも監督はよく知っているよね。普段から人間をよく見て観察しているんだろうなぁ。ぼくの方がはるかに長く生きているのに、監督の演出には度肝を抜かれましたから。今回は“こうした方がいいんじゃないか”って一度も言ってないと思うんだよね。本当にすごい監督が出てきたなと。

黒崎: これだけのキャリアを積んでこられているので、ご自分の中で“コレだ”っていうものが確立されていると思うんですけど、作品や監督に合わせて自分の軸を変えて演じるっていうのは、ぼくがあと数十年かけてもできないことだと思います。

―最後にこの映画をご覧になる方へそれぞれメッセージをお願いします。

黒崎: “盟友”である団塚監督とタッグを組んだ初主演作がいよいよ公開になります。たくさんの方に観ていただき、自分の家族について考えるきっかけになればいいなと思います。

遠藤: 映画初主演の黒崎くんと長編デビューの団塚監督、若いふたりがタッグを組んだ素晴らしい作品です。映画としても新しい手法や細かな演出が面白いので、コアな映画ファンの方にも楽しんでいただけると思います。

INFORMATION

映画『見はらし世代』

監督・脚本:団塚唯我
出演:黒崎煌代、遠藤憲一、井川 遥、木竜麻生、菊池 亜希子、中村蒼、中山慎悟、吉岡睦雄、蘇鈺淳、服部樹咲、石田莉子、荒生 凛太郎
配給:シグロ
2025年10月10日(金)公開
©2025 シグロ / レプロエンタテインメント

公式サイト
公式インスタグラム

※衣装クレジット:<黒崎煌代>ジャケット ¥80,300、パンツ ¥38,500(ともにラッド ミュージシャン)、<遠藤憲一>ジャケット ¥125,400、パンツ ¥83,600、シャツ ¥41,800(すべてワイズフォーメン)、シューズ ¥74,800(ヨウジヤマモト プールオム)