“好き”のきっかけをくれる、ファッションと音楽の関係。

— 撮影の衣装はいかがですか?
普段から僕のことをよく知ってくれているスタイリストやヘアメイクの方たちとの撮影だったので、割とありのままの自分に近いようなスタイルだったように感じます。
— インナーはシド・ヴィシャス?
そうです。中学生ぶりに着ましたよ。当時はブートの映画『シド・アンド・ナンシー』やセックス・ピストルズのグラフィックTシャツを持っていて、今はもう着れないと思っていたけど、逆に良かったですね、なんかエモかったです。
— 確かに。でも、やっぱり一周回ってかっこいいです。
今の若い子とかは誰だろうって感じなのかもしれないですね。分かんないけど、なんかすごそうみたいな。僕らも当時はどこにでもあるレゲエショップみたいなところのポスター売り場でボブ・マーリーとか、シド・ヴィシャス、カート・コバーンを見て、「この人たちはなんなんだろう?」というところから調べて知っていったわけで。そういうきっかけをくれるのはファッションのような気がします。
— 音楽や映画といったカルチャーの入り口になってくれますよね。
音楽もそうで、僕らのバックボーンにはたくさん影響を受けてきた過去の音楽たちがあって、新しい曲のフレーズにオマージュを入れたりしているんです。聴いてくれる人がそこからどんどん深掘りして、自分の好きなものを見つけてくれたらいいなと思って。流行に合わせて一辺倒になりがちな今だからこそ、もっと「俺だけしか知らない」みたいな気持ちを持ってくれたら楽しいんじゃないかなって思うし、そういう作品を出していきたいというのは心がけています。