Adobe MAX 2025に見た、クリエイティブの民主化。
かのスティーブ・ジョブズが出資をはじめたのが1980年代前半。そこから〈アップル〉とともに、デザインの世界に革新を起こし続けてきた〈アドビ〉のソフトウェア。いまでは、世界中のクリエーターで使っていない人はいないといっていいほど、そのシェアは圧倒的です。
ただ、冒頭にもある通り、これまではプロ向けの印象が強いものでした。ところが近年、スマホの普及やSNSの台頭で誰もが発信の場を持つことになった結果、〈アドビ〉もモバイル版のアプリを強化しています。
2月に画像処理とデザインアプリのAdobe Photoshopモバイル版、6月に生成AIに特化したAdobe Fireflyモバイル版、9月には動画編集アプリAdobe Premiereモバイル版を相次いでリリース。そこに生成AI機能も乗っかって、もう、すごいことになってます。
過日行われた「Adobe MAX 2025」でも、クリエイティブの民主化を加速させる発表が相次ぎました。まずはその模様を少しだけお届けします。
2025年10月に、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「Adobe MAX 2025」。毎年開催されるこのイベントには、全世界から約1万人のクリエイターやクリエイティブ業界の関係者が集まります。会場では新機能が発表がされるほか、クリエイターによるキーノートなど、学びがたくさん。研究中の機能を発表して拍手の量で翌年以降アドビ製品に搭載する機能を決めるMAX Sneaksや、近年ではAIの技術コンテストなんかも行われています。
ここではクリエイター同士の情報交換も楽しみのひとつ。交流会のミングルは毎回大盛り上がりです。セッションやワークショップでは最新技術のハウツーが学べますが、それ以上に価値があります。同じ悩みを抱えるクリエイター同士が出会い、友人になり、メッセージを送り合える関係性が生まれる。ここから、新たな仕事が生まれることも珍しくないのだそう。こんな風にして、クリエイター同士のコミュニティがつくられていきます。
ちなみに今回、会場をもっともザワつかせたアナウンスがYouTubeとのパートナーシップでした。これからは、Premiereモバイル版でYouTubeショートを制作し、即時公開することができるようになります。テンプレも膨大で、なんてことないVlogなんかもサクっと本格的な仕上がりになるわけです。