FEATURE | TIE UP
ボーダーを超えていく、スピングルとともに。
Go anywhere with SPINGLE

ボーダーを超えていく、スピングルとともに。

一目見ると忘れられない、独特な形状のソール。しかもそれに載っかるのは、カンガルーレザーのアッパー。この個性的な〈スピングル(SPINGLE)〉のシューズに一度足を通すと、軽妙な履き心地にとりこになってしまう…。このシューズの魅力を語ってくれるのは、写真集『奇界遺産』やテレビ番組「クレイジージャーニー」で知られる写真家・佐藤健寿さんと、モデルでケータリングサービス兼お弁当屋「美菜屋」を主宰する浅野美奈弥さん。まずは二人のお仕事のお話あたりからはじめましょうか。

  • Photo_Masayuki Nakaya
  • Hair & Make up_Karen Suzuki(Minami Asano)
  • Edit_Shinri Kobayashi, Ryo Muramatsu

日本独自の改良文化がすごい。

―ハードな環境に行くことも多いと思いますが、装備のこだわりを教えてください。

佐藤: このまま海外に行けるくらい、旅と普段着をあまり分けないようにしています。機能性と見た目のバランスが大事で、ギラギラして悪目立ちするのもイヤだし、かといって汚すぎるのも違う。バックパッカーの中には、小汚い方が襲われないと思っているひともいますが、実際は同じようなひとを引き寄せてしまうケースも多いんです。

海外では、日本人はやたらおめかししているか、逆にだらしないかの両極端になりがちで、その中間が意外と少ない。自分は現地でも普通でいたいので、何かを買うときも、旅で使えるかどうかは必ず考えます。

―旅に持っていく道具で、これだけはというものは?

佐藤: 「旅の七つ道具は?」と聞かれることも多いんですが、あまり “これがないと旅ができない” という特殊な道具を持ちたくないんです。そういうものに依存すると、いざというとき機動力が落ちてしまうから。いま持っているカメラ一式とスマホがあれば、「このまま東南アジアに一週間行って」と言われても、たぶん行けます。自分にとって絶対に必要なもの=エッセンシャルは、なるべく少なくしておきたいですね。ちょっと雑誌っぽい言い方ですけど(笑)。

―佐藤さんの仕事道具といえばカメラですが、これじゃなきゃダメというこだわりはありますか?

佐藤: ずっと〈ライカ〉を使っています。東京やニューヨークのような大都市だと高級品として目立ってしまうけれど、中東やアジアの田舎、アフリカに行くと、クラシックなデザインのおかげで逆に目立たない。大きなカメラだと撮られる側も構えるし、盗難リスクも上がるけれど、〈ライカ〉は小さくて、相手も大したものは撮ってないだろう」とリラックスしてくれます。自分のスタイルにはすごく合った道具ですね

―海外で撮影していて、日本製品のよさを感じることはありますか?

佐藤: めちゃくちゃ感じます。日本人って、“改良” するんですよ。例えばロシアでは、60年前のクルマ〈ラーダ〉がいまも同じ仕様で走っていて、壊れたら直すだけで、基本的にアップデートはしない。アメリカのクラシックシューズも、昔ながらのつくりをそのまま続けているし、ニューヨークのベーグルもほとんど変わらない。

一方で日本は、ラーメンにしても何かを足したり、枝分かれさせたり、とにかく多様化・改良していく。100均に行くと、少しずつ改良されたハサミがずらっと並んでいるじゃないですか。ああいう、“細かく手を入れてよくしていく文化” は、日本特有だと思います。よくも悪くも、ですけどね。

―先ほどの “日本の改良文化” というお話に重ねると、スピングルのこのモデル「SP-110」は、昔の体育館履きのソールというベーシックな土台に、カンガルーレザーのアッパーを載せた一足なんです。

佐藤: 日本にはそもそも優れたベーシックがたくさんあるのに、改良しすぎた結果、よく分からないものになってしまうことも多いと思います。そういう意味で、このシューズはクラシックな形をきちんと残しつつ、ほんの少しだけ変化を加えている、日本らしい感性を上手く活かしたつくり方だと感じます。

本来は “変えるべきもの” と “変えなくていいもの” があるのに、商売だけを優先すると、とにかく変えて差別化することが目的化してしまう。その結果、ユーザーからすると「別にいらなかった機能」ばかり増えてしまうんですよね。先ほどのとおり、自分は〈ライカ〉のカメラが好きなんですが、あれも形は70年前からほとんど変わっていない。有名な話で、スティーブ・ジョブズも「iPhone」をつくる上で〈ライカ〉のような普遍的なデザインを意識したといわれています。100年残るものをつくりたい、という意味で。

―佐藤さんの場合も、“原型を留めたまま残っているもの” が被写体になりやすいのでしょうか。日本の祭りなども、まさにそうですよね。

佐藤: “古典的なもの” や “オリジナルそのもの” にこだわっているというよりは、どちらかといえば “例外” に惹かれますね。日本各地のちょっと変なお祭りも、普通なら消えていくはずなのに、何かの理由で例外的に残ってしまったものが多いんです。

―なぜそれが、そこだけで生き残っているのか。民俗学的な視点で、その謎に迫る感覚もあるんですか?

佐藤: そうですね。例えば鹿児島・トカラ列島の「ボゼ」という祭りでは、全身に草をまとって巨大な仮面をかぶるんですが、その姿がパプアニューギニア周辺の祭りと驚くほど似ているんです。パプアニューギニアで見ると “異国の儀礼” に見えるけれど、日本の「ボゼ」と並べてみると、実は地続きの関係が見えてくる。最初はただの “例外” にしか見えないものが、そのあいだのグラデーションや、自分との距離感がふっと立ち上がってくる。あの感じがすごく楽しいんです。

INFORMATION

スピングルカンパニー東京支社

電話:03-3871-2171
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