PROFILE
髙畠新(写真左)、前田勇至(写真中)によるディレクターズユニット「マーゴ」。クリエイティブカンパニー「PERIMETRON」に所属し、現在は東京を拠点に活動。ニューヨークで培った感性を武器に、ミュージックビデオのディレクションやグラフィック、ブランドのビジュアルなど幅広く手がける。ストリートカルチャーや音楽シーンと密接にリンクする、エッジの効いた色彩豊かな表現が特徴。
instagram : @__margt
PROFILE
デザイナー。専門学校在学中に〈ダイリク〉をスタートし、2026年の今年で9年目。これまでに数々のファッションアワードを受賞している。自身のルーツである映画を毎シーズンのテーマに掲げ、古着文化やユースカルチャーを現代的に再構築したストーリー性豊かな服づくりが多くのファンを生み出している。
instagram : @dairiku.jpeg
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通称 “マーフウォッチ”。映画『インターステラー』で父クーパーが娘マーフに手渡した腕時計を、ファンからの熱い要望に応えて販売したモデル。秒針には、マーフが方程式を解いた瞬間に叫んだ言葉「Eureka(分かった!)」がモールス信号で密かに刻まれている。オリジナルのケース径42mmモデル(写真左、¥157,300)と、小径の38mmモデル(写真右、¥139,700)を用意。
わざわざやることが豊かさに繋がる。
―まず、お三方の関係性を教えてください。
前田勇至(以下、イサム): 「マーゴ」は2人でやっているディレクターズユニットで、グラフィックや映像、ライブや空間の演出、ファッションショーのディレクションなどをやっています。基本的には2人でディレクションして、ぼくが映像編集、アラタがグラフィックの編集という役割分担はありつつ、アイデア出しからディレクションはいつも2人でやる、という形です。
髙畠新(以下、アラタ): 結成して、去年がちょうど10周年でした。
大陸: 「マーゴ」には〈ダイリク〉の2025年春夏コレクションで発表した、映画的なショートムービーを手掛けてもらいました。知り合いのスタイリストの紹介がきっかけです。SF映画に出てくるような通路をセットでつくりたいイメージがあって、それがどこまで現実的かという話も含めて、初期から相談に乗ってもらいました。
―大陸さんにはこの企画の初回、映画監督の入江悠さんとの対談でお話ししてもらいましたが、「マーゴ」にとって映画『インターステラー』は、どんな作品ですか。
アラタ: ほんとに好きな映画トップ3に入ります。思い出でいうと、イサムと出会ったのが2013年くらいで、友達になりたての頃に2人で映画館に観に行ったんです。ものすごい映画やな、と思って、ふって横向いたらイサムが号泣してたっていう記憶がありますね(笑)。
イサム: しかもその時、2回目だったんです。まずひとりで観てて、マジで最高の映画やってなって。(クリストファー・)ノーランの作品のなかでもトップになるわと思いながら、もう1回観に行ってまた号泣してました(笑)。
―では、ファッションと時計について伺いたいんですが、それぞれどんな付き合い方をされていますか。
アラタ: お金がちょっと服に使えるようになってからの話ですけど、ファッションはそれまで着たくても着れなかったハイブランドと古着、ノーブランドを混ぜるのが好きですね。実は時計を去年はじめて買ったんですが、一瞬で無くしてしまいまして…。でもその時に改めて気づいたのが、遠くからは見えないじゃないですか、時計って。でも確実に、ぼくの体を埋める密度を上げてくれる。超引き締めてくれるアイテムだと思いました。
大陸: ぼくは時計を見る仕草がかっこいいな、と思っていて。スマホで時間を確認することが当たり前になってから、腕に目をやるという動作がだいぶ無くなってきたじゃないですか。だからこそいまそれをやっていると、時計をつけているというのが全身から伝わってくる。電車を待っている時に無意識にこうやって(腕を見る仕草)してしまう。時計があることで、仕草が生まれるんですよね。
アラタ: 時計をつけている男ってカッコいい、っていうのがイコールなのかも。仕草が素敵ってことだよね。
大陸: そうですね、ぼく自身はデスクワークが多い日はつけません。でも外に出てひとと会う日や、知人の結婚式なんかにはつけたりします。どちらかというと日常的なアクセサリーというより、特別な関係性のあるアイテムですね。
イサム: 「特別な関係性」…いい言葉だし、それはよく分かる。というのも、時計には憧れがあって。〈ハミルトン〉がつくった初期のデジタル時計(PSR)を一時期めちゃくちゃ調べていたこともあるくらい、SFっぽいプロダクトが好きで。服もそうなんですが、バックグラウンドが見えると超テンションが上がるんです。だから『インターステラー』由来の “マーフウォッチ” もそうだし、『2001年宇宙の旅』に出てくる時計なんかも最高です。こういうちょっとした自分の好きをくすぐるポイントが、他のひとに伝わらなくてもいい、自分の気持ちが上がるっていう感覚がある。時計ってジュエリーに近いと思っていて、いまは携帯で時間を見るひとが多いけど、わざわざ腕時計で時間を確認するという、時計ならではのプラスアルファの価値みたいなものは、大人になるにつれて、豊かさに繋がっていく感覚がありますね。